現代アート×お寺!お寺ってこんなに面白い場所なんだ│東京都照恩寺<後編>
住職に必要なアンテナ?
――お寺の抱える課題は多くありますよね。その他に危機感を覚えることはありますか?
溝口:危機感は尽きないですが、最近ちょっと思うのは法座の知名度でしょうか。禅宗の座禅は広く世に知られていますが、浄土真宗の法座は全国的に、ほぼ毎日どこかで勤められているはずなのに知名度が非常に低い。それだけ閉鎖的な空間で行われているということでしょうか。危機感というか、もったいないという気がしてなりません。
――先ほど言っていただいたように、初めて来られた方がリピートしていただけるような法座になれば、知名度も高まるように思います。そのために、僧侶にはどのような課題があると思われますか?
溝口:僧侶、とくに住職が積極的に考えを変えていく必要があると思います。我々は諸行無常、物事は移り変わるものだと説きながら、その無常に一番あらがっているのかもしれません。だからこそ、現代の状況に常にアンテナを張っておくべきだと思っています。
――ニーズに合わせてお寺の在り方を試行錯誤していくにも、そのアンテナが必要なのですね。
溝口さん、ありがとうございました。
編集後記
お寺で行われるさまざまな活動。他力本願ネットでは、面白い催しや新たな試みを数々ピックアップしてきました。
この度取材をさせていただいた照恩寺さんでは、現代アートの展示が常に行われています。今日も照恩寺にアートを見に来た人は何かを感じ取り、何かを考え、自身の肥やしにしていくのでしょう。
しかし、照恩寺の真髄は法座。アートをきっかけに門をくぐった先で、お参りをして、法話を聞いて、お寺の面白さを発見してみてはいかがでしょうか?
(写真提供:溝口さん)
東京都照恩寺について
【寺院名】
浄土真宗本願寺派 聞光山 照恩寺
【住所】
東京都小平市美園町3-23-20
【TEL】
042-341-2935
【webサイト】
https://www.shouonji.jp/