お寺で開催するマルシェに求められるものとは?|「ののさまマルシェ」―岐阜県真光寺


「お寺の活動事例集」では、全国の浄土真宗本願寺派寺院で行われる催しや取り組みをご紹介しています。今回は、岐阜県高山市にある、真光寺さんで行われている「ののさまマルシェ」について、同寺衆徒の森下広大(もりした・こうだい)さんにお尋ねしました。
 

どんな活動?

 

(画像提供:森下さん)

 
――「ののさまマルシェ」とはどういったご活動でしょうか?
 
森下広大さん(以下:森下):「ののさまマルシェ」とは、お寺の境内等で実施しているマルシェイベントです。マルシェの出店内容はさまざまで、2022年に実施した際は47件ものブースが集まりました。ケーキやお菓子、パン、団子、たこ焼きといった飲食店のほか、ハンドメイド、お花、古本、不要品のフリーマーケット……いろいろありましたね。
 
当初は200人ほどの参加者でしたが、現在はおかげさまで1000人を超える方々に来ていただくこともある、人気の催しです。家族で朝から来て昼過ぎまで過ごせて、達成感や充実感を味わえる場を心がけています。
多いときは年に3回ほど開催していましたが、近年は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、不定期開催を余儀なくされていました。
 

ののさまのロゴが描かれたラテアート(画像提供:森下さん)

 

ブースの様子(画像提供:森下さん)

 
――どういった経緯でご活動を始められたのでしょうか?
 
森下:もっとお寺に若い人が来るといいよねと妹や友人と共に模索していたとき、たまたま近所でフリーマーケットをやっていて、それを参考にして活動を始めました。
ちなみに「ののさまマルシェ」という名称は、フリーペーパー「ののさま」の代表であり、大学院の友人、南條成美さんに名称をお借りしたのが始まりで、現在もこの名称で継続しています。
 
――ご活動の中で工夫されていることを教えて下さい。
 
森下:なるべく出店料を安くすることで、有名店や実績のあるお店だけでなく、地域のいろんなお店が出店できるようにしています。
 
また、お寺で開催するということで、出店者の皆さまには本堂の説明をして、大切にしていただきたい、できればイベントの最初と最後にお参りしてほしいとお伝えするようにしています。すると、片付けた後にお参りされる方もいらっしゃいます。そういう様子を見ると、少しでもお寺の想いが伝わったと感じますね。
 

ののさまマルシェの運営スタッフ(画像提供:森下さん)

 
――ご活動における魅力を教えて下さい。
 
森下:マルシェを通してご仏縁が広がることですね。マルシェでは「お坊さんに聞いてみよう」という仏事に関することを相談できるブースを用意しています。それがきっかけとなったのか、改めて法座に来られる方もいらっしゃいました。
 
また、参加者だけでなくスタッフとも一緒に活動を続けていく中で、当初はお寺に関心のなかったスタッフが西本願寺へ行きたいと言ってくださり、一緒に参拝しました。ご仏縁が広がり、嬉しかったですね。
 
単にマルシェをお寺で行うのではなく、参加者やスタッフと共に手を合わせるご縁をいただくところに、ののさまマルシェの魅力があるのではないでしょうか。
 

マルシェイベントに求められるものとは?

   

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掲載日: 2023.01.27

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