地域と一緒に作り上げる、マルシェイベントの姿とは|専修寺マルシェ―山口県専修寺<前編>


お寺の境内にキッチンカーやフリーマーケットといったブースが集う、マルシェイベント。そんなマルシェを2022年に初めて開催したお寺があります。
今回インタビューさせていただいたのは、山口県下関市にある専修寺(せんじゅうじ)さんです。イベントの企画から当日を迎えるまで、どのような経緯を辿られたのでしょうか?ご活動の様子を、専修寺住職の高橋了(たかはし・りょう)さんにお伺いしました。
 

風光明媚な地域にあるお寺。

 

観光名所の角島大橋(画像:ぱくたそ)

 
――簡単に専修寺さまのご紹介、高橋さまの自己紹介をお願いします。
 
高橋 了さん(以下:高橋):白石山専修寺の18代目住職 高橋了と申します。専修寺は460年の歴史があり、田上菊舎(たがみ・きくしゃ)さんという、江戸時代の著名な俳人とのゆかりもあるお寺です。
 
そして私は1991年、同じ山口県の長門市油谷(ゆや)という地域にあるお寺の3男として生まれました。龍谷大学を卒業後は、あそかビハーラ病院へ勤務し、ビハーラ僧として医療の現場で6年お世話になりました。その後、29歳になった2020年に専修寺へ入寺し、現在に至ります。専修寺は私の叔父が住職をしていたお寺で、後継者が居なかったので私が入寺することになったんです。
 

専修寺住職の高橋了さん(画像提供:高橋さん)

 
――お寺のある、山口県下関市のご紹介をお願いします。
 
高橋:お寺のある山口県下関市は市域が非常に広く、その中の豊北町という地域にあります。かつては一つの町でしたが、2005年の合併により下関市に編入されました。下関市全体の人口は約25万人、そのうち豊北町の人口は約8千人です。
豊かな自然と美味しい海の幸が町の魅力で、町内の観光名所である角島大橋からは絶景を見られます。
 
一方、町内は過疎化と高齢化が深刻で、学校も統廃合され、小学校や中学校もスクールバス通学が必須になりました。高校は町内に一校しかなく、隣の長門市や、関門海峡を通って北九州市の高校へ通う生徒もいます。高校ですらこんな状況で、卒業後の就職先に至ってはほとんどありません。
なので、現役世代を中心に人口減少が急速に進行しており、町内全体で地域を盛り上げる方法を模索しています。
 
――お寺としても将来が心配ですよね。
 
高橋:そうですね。「イエ」の概念も薄れ、若い人が帰ってくるかが不透明な状況で、墓じまいの相談も増えてきました。平均寿命を考慮すると、門信徒の方も20年後には大半の方が亡くなっておられると思うので、お寺としても危機的な状況だと感じますね。
 

とあるアート作品から生まれたお寺のマルシェ

   

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掲載日: 2023.03.07

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