沖島タイムズ~眠れる宝「他出子」~

 

 

沖島では、島民の方々の聞き取りをもとに、持続可能なまちづくりの指針となる「沖島憲章」を作成中です。

 

むらまちVol.8

 

沖島憲章(案)

 

【前文】

 
沖島には人間は住んでいませんでした。
沖島に人間が住むようになりました。
沖島は人間に十二分の恵みを与えました。
沖島の人間は島の外も暮らしの一部にしました。
昔と変わらないステキな沖島がたくさん残っています。
昔とはちがうステキな沖島もあります。
沖島に生まれ住み続けている人も、
沖島に移り住んできた人も、
沖島から離れて住んでいる人も、
みんな沖島のことが大好きです。
そんな大好きな沖島がずっと続きますように。
 

 

 

 

 

【行動指針】

 

1つ、沖島の幸せのもとである、おじちゃんおばちゃんを学び続けます。

 

2つ、笑顔の漁師をずっと見られるように、沖島の未来を描きます。

 

3つ、子どもの声が島のあちらこちらから飛び出す沖島を守ります。

 

4つ、島の自然とのおつきあいを増やし、持続可能な開発を楽しみます。

 

5つ、のんびりとした時間がもてなくなるような競争はしません。

 

6つ、安心な暮らしと安心な食の自給自足を高めていきます。

 

7つ、朝飯抜いても、おしゃべりは欠かしません。

 

8つ、島の中と中、島の中と外、人と人がつながる機会をたくさんつくります。

 

9つ、お寺とともに互助の暮らしを義理・人情・道徳で彩っていきます。

 

 

今回は8つめの「島の中と中、島の中と外、人と人がつながる機会をたくさんつくります。」に関するお話です。

 

沖島を離れて近江八幡市街等都会で働く「他出子(集落から転出した子ども)」は、実はふるさとに繋がりをもとめる気持ちは強いといいます。

実際に、お盆や夏祭りなどの際には沖島は帰省者で一気に賑わいます。

 

熊本大学の徳野貞夫教授は、限界集落の問題を解決するために、「他出子(たしゅつし)」を活用する必要性を説いています。他出子を含む家族構成を各戸が洗い出すことで、集落に連なる人材の豊富さ、家族の結びつきの強さを再確認することができるそうです。 

 

人口減が続く沖島に活力を取り戻すためには、これまで沖島を知らなかった方へアピールし、沖島のファンになってもらう必要がありますが、それと同時に、他出子が沖島に関わる機会を増やし、「半島民」として協力関係を築くことも大切です。

 

昨年、環境保全イベント「ヨシ舟づくり」を開催されましたが、多くの人々に沖島を知っていただいただけでなく、他出子の方々も活きいきと運営に関わっていただけたことが大きな収穫だったようです。これからも沖島の明るい将来へ向けて、「島の中と中、島の中と外、人と人がつながる機会が増えていくことでしょう。」

 

 

【参考】沖島タイムズ vol.33 手作りヨシ舟を琵琶湖へ!

 

 

 

   

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掲載日: 2018.04.26

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