沖島タイムズ 沖島での暮らし No.03
沖島タイムズでは、琵琶湖に浮かぶ沖島の様子を、写真でご紹介してきました。今回からは、昔の沖島の暮らしについて話してくださった島民の方の似顔絵とその当時の出来事についてイラストを交えてご紹介していきます。
—作り手の顔が見える暮らし
皆さんは、今着ている服が誰によって作られているものかを意識したことはあるでしょうか。沖島のおばあちゃんから「昔は、着物も、おむつもすべて家の人が手作りで作ってくれていたんだよ」とのお話を聞いて「昔の人が今より一つ一つのものを大切にしていた」と聞く理由の一つを教えてもらった気がしました。
日本の衣料品の廃棄量は年間約100万トンにのぼるそうです。毎年大量の衣類が購入されては、捨てられている日本の現状。勿論その理由は、トレンドがすぐに変わってゆくことや、安価で衣類を購入できる時代になったということもあるのかもしれませんが、沖島の方のお話を伺って「作り手の顔」を知らないということも簡単に服を捨てる社会の一つの理由ではないかと感じました。
家族が仕事の合間に時間を見つけて、一針、一針縫ってくれたと知っている服。そんな服はきっと、服の機能としてだけではなく、それを作ってくれた方との思い出と共に日々を過ごせる様なあたたかみを持った暮らしの一つのエッセンスだったのではないかなぁと感じます。
服の作り手だけではなく、様々な作り手の顔が見えづらい現代社会の中で、ふとそれを作った方の顔を思い浮かべることからも、もしかすると私たちの日常が少しだけ「豊かになるヒント」があるかもしれません。
【どうして私たちが沖島の島づくりにかかわらせてもらっているのか】
沖島タイムズ(1000年続く島づくり)vol.1
https://tarikihongwan.net/muramachika/5986.html
2016.11/2 更新