「地震」って何だ?地震大国の日本で暮らすということ【熊本地震編】
■熊本地震から学ぶべきこととは?
続けては、編集部といっしょに、熊本地震から得られる教訓について、クイズを通して学んでいきましょう。熊本地震での被害の特徴として、震災関連死やデマといった二次災害が挙げられます。そこで、今回は深夜に発生した地震を想定し、発生直後から自動車での一次避難までの流れを想定してみましょう。
問題①
(画像:写真AC)
揺れが収まり、起き上がってみると周囲には家具が倒れ、テレビはその衝撃で壊れてしまっていました。
スマートフォンは無事だったため、情報収集を始めることに。こんなとき、まずはどんな情報を集めるべきでしょうか?
(2)一時避難場所の情報
(3)知人や友人の安否情報
問題②
【出典:熊本災害デジタルアーカイブ/提供者:広島大学救急集中治療医学】
(2)数時間おきに運動する
(3)カーラジオを流しっぱなしにしておく
問題③
(画像:写真AC)
(2)まずは情報の出どころを確認する
(3)そもそもSNSの情報は信用しない
■まとめ
今回は、2016年に発生した熊本地震について黒田さんと一緒に考えました。激しい揺れは、必ずしも1回だけとは限らないことや、緊急地震速報やSNSには可能性も限界もあり、正しく理解して最大限活用する意識が大切だということが大きなポイントではないでしょうか。そして、家具の固定や建物の耐震化を行っているかどうかの結果は、地震発生時に大きく現れます。
いつ来るかわからない地震だからこそ、いつ来ても大丈夫なように備えておくことが大切ですね。
■参考文献
(*1):気象庁 験震時報第70巻(2007) 石垣 祐三「明治・大正時代の震度観測について-震度データベースの遡及-」
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/books/kenshin/vol70p029.pdf
(*2):気象庁 災害時自然現象報告書 2016 年第 1 号 対象地域 九州地方
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/books/saigaiji/saigaiji_2016/saigaiji_201601.pdf
(*3):大地震後の地震活動の見通しに関する情報のあり方 (平成28年8月19日 地震調査研究推進本部地震調査委員会 事務局)
https://www.jishin.go.jp/main/yosoku_info/gaiyo.pdf
(*4) 東京消防庁 家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック – 室内の地震対策 –
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/hp-bousaika/kaguten/handbook/all.pdf
(*5) NHK 「明日をまもるナビ」 大地震の揺れから命をまもる 家庭でできる8つの防災対策
https://www.nhk.or.jp/ashitanavi/article/1762.html
(*6) JA共済 ザブトン教授の防災教室「おさらいカード」
https://social.ja-kyosai.or.jp/ouchi/#earthquake
(*7):白山工業株式会社製 地震ザブトン
https://www.hakusan.co.jp/solution/zabuton/
(*8) 津波を予測する仕組み
https://www.data.jma.go.jp/eqev/data/tsunami/ryoteki.html
(*9)平成29年版 消防白書
https://www.fdma.go.jp/publication/hakusho/h29/topics10/46067.html
(*10)熊本県 熊本災害デジタルアーカイブ
https://www.kumamoto-archive.jp/about
(*11) 【熊本地震】犠牲者の5分の4が災害関連死 エコノミークラス症候群どう防ぐ?
https://weathernews.jp/s/topics/201804/120235/
(*12) 熊本地震5年 広がるデマ、監視続ける地元大学生
https://www.sankei.com/article/20210413-YZITF5QUAFICBDNJZCG27KFAX4/
(*13) 総務省|平成27年版 情報通信白書|SNSでの情報拡散の状況
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h27/html/nc242250.html
プロフィール
1980 年生まれ。熊本県水俣市出身。広島大学文学部卒。人事・組織開発コンサルティング会社に新卒入社後、2009年に地震計測機器メーカーの白山工業株式会社へ。計測記録を使って地震の揺れを再現する「地震ザブトン」の製品化を牽引し、入社翌年から防災の訓練・研修現場で揺れ体験を核にして専門的な知見を平たく伝える「防災教室」を展開中。運営実績は400回以上、2万人以上との対話を重ね、地域安全学会技術賞やジャパン・レジリエンス・アワード優秀賞を受賞。地震ザブトンとともに防災特集番組等へ多く出演し、広報も兼任した。2021年9月に独立し現職。白山工業とはパートナー契約を結び協業を継続している。