被災地の声「元気?元気だよ。でもな、カラ元気だ」

 (80代女性)

最近になってようやく、仮設での生活に慣れてきたという。

90才近いお兄さんと仲良く過ごしていると話されたので、 「お元気なんですね」と笑顔で応えてしまった。

そこで漏らされたのが、「カラ元気」という言葉である。

続けて「最近はボランティアさんが来ないね」と寂しさを漏らされた。

「慣れてきた」というのは、自分に言い聞かせたり、本音にふたをする、やせがまんだったのかもしれない。

善意の支援や復興に向かう空気が「元気に振る舞わなきゃいけない」とプレッシャーを与えているかもしれない。

そう思うと、「ボランティア」ってなんだろう、仏教の「利他」ってなんだ、と考えさせられてしまった。

(金澤豊)

 

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掲載日: 2013.05.13

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