上下関係だけでない、お互いの存在を教えてくれる。兄弟/姉妹のお子さんと読んでほしい本

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『ねえさんといもうと』
文:シャーロット・ゾロトウ
絵・訳:酒井駒子
出版社:あすなろ書房

 


「お兄ちゃんなんだからしっかりしなさい!」
「お姉ちゃんだから我慢しなさい!」
「妹なんだから、お姉ちゃんの言うこと聞きなさい!」


そんなことをふと思ったり、伝えたことはありませんか?


おねえさん/おにいさんは頼られる存在、いもうと/おとうとは頼る存在。
どこか、周囲の大人たちはそう思っているように思います。そして何より本人たちもそう思っているのではないでしょうか?だからこそ、おねえさん/おにいさんが行くところには、いつもいもうと/おとうとはついて行きます。


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本書に登場する、小さい、いもうとにもいつも、ねえさんが一緒です。散歩にいく時も、遊ぶ時も、ブランコに乗るときも、泣いている時も……。けれど、ある日いもうとは「なんだか、ひとりになりたい」そう、思って1人で外へ飛び出します。ゆっくりとした時間を原っぱの中で過ごすいもうとをよそに、ねえさんは大きな声で必死に探します。そして……。


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小さい頃に、友達と遊んでいて、一人ぼっちになってしまったことがあります。1人になり、庭で泣いていたら、まだ5歳に満たないいもうとが、そばに寄ってきて、一緒に座ってくれたことがありました。本書のいもうとのように、何かをしてくれた訳ではありませんでしたが、そばにいてくれたことのあたたかさを思い出しました。

いつも、頼られるおねえさん、おにいさんが、一人ぼっちになったら誰を頼ればいいのでしょうか?

反対に、いもうとはずっとおねえさんに守られ、助けられるだけの存在なのでしょうか?

 



上下の関係では、上の者が下の者にいろんなことを教えていきますが、本当はお互いが学び合い、気づきあう関係なのかもしれません。母親は、その人自身が生まれた時から母親ではなく、子どもが生まれた時に初めて、母親となる。だから、「お母さん」としての人生と「子ども」の人生の年齢は同じになる、と聞いたことがあります。
おねえさんも、その子自身が生まれた時からおねえさんではなく、いもうとやおとうとが生まれた時に、おねえさんとなる。そう考えると、「おねえさん」と「いもうと」は同じ年齢とも受け取れます。

 

いもうとは色んなことをおねえさんから学び、おねえさんもいもうとから色んなことを日々学んでいく、一方通行ではなく、お互いが双方向に学びあい、尊敬していける世界
がある、人間の関係性の豊かさを教えてくれます。