かわいそうな子、かわいそうじゃない子。あなたはどこに線を引く?

テラ・ルネッサンスが目指す社会とは

 
ーー安心して「生活できる」社会の実現、なんですね。
 
栗田佳典さん(以下:栗田):はい。
私たちが目指すものは、支援する人々がただ生きている、という状態ではありません。安心して生活できるというということが私たちのゴールです。
 
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テラ・ルネッサンス アウェアネスレイジングチームマネージャー 栗田佳典さん

 
ーーそして、そのためのミッションとして掲げているのがこちら。
 
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「テラ・ルネッサンスとは」

 
栗田:そうですね。
国際協力や世界平和を標榜した団体は数多くありますが、そのなかでテラ・ルネッサンスはどんな役割を果たしていくのかというときに「啓発」がキーワードになると思っているんです。支援の対象者だけに向けて何かをするのではなくて、そういった課題をみんなで解決していこうよという風に、輪を広げていくこと。あなたひとりの、小さな変化が、やがて社会を変えていくのだということを啓発していく。現場での国際協力だけでなく、それも私たちの使命です。
 
ーー目の前の問題を解決することも、もちろん大切ですが、もっと長期的な視点で課題に向き合っていかなければ根本的な解決にはなりませんもんね。
 
栗田:私たちの信念の部分になるのかな、どんな人にだって未来を作っていく力があるんだって思っているんです。
なので、私たちの役目は、人々を変えることではなく、その人たち自身が変わっていくための環境やきっかけを提供していくことなんだというスタンスはとても大事にしています。
 
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提供:認定NPO法人テラ・ルネッサンス

 
ーー私たち自身には人を変える力はない。その事実の上に立った大切なスタンスだと思います。
テラ・ルネッサンスさんの活動について、概要からまず伺っても良いですか?

 
栗田:はい。本部を京都に持つテラ・ルネッサンスは、現在アフリカとアジアの6カ国で活動をしています。その6カ国とは、ウガンダ・コンゴ・ブルンジ・カンボジア・ラオス・日本です。
そして、これらの国に活動拠点を置いて、主に取り組んでいる課題は3つ。
地雷の問題・小型武器の問題・子ども兵の問題です。
 
どの問題も密接に関係しあっているものです。現地でこれらの課題の解決を目指して活動している、いわゆる国際協力の活動だけでなく、多くの方に現状を知っていただくための啓発活動を日本国内では大きく展開しています。また、社会の仕組みを変えていくために、政策提言も今後はさらに力を入れていけたらと考えています。
まとめると、「国際協力」「啓発活動」「政策提言」の3本柱で活動しているというのが私たちの団体の特徴ですね。現場での国際協力だけでは大きく現状を変えることは難しいし、啓発活動や政策提言だけしていても現場を知らなければ説得力がない。
 
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ーーそれぞれの柱が、互いを強化する存在なんですね。栗田さんのお話の中で、地雷とか武器とか子ども兵とか、非常に深刻な問題なんだということは頭ではわかるのですが、実際私たちの生活とはかなり距離があるように感じてしまって……。どういう風にお話をされるんですか?
 
栗田:そうなんですよね、本当に遠いんですよね。海外で起きてることってすごく遠い。それをいかに近くに感じてもらうかっていうのは常に考えていることです。
 
海外の誰かではなく、同じ地球に住む地球人としての意識を持ってもらう、地球市民教育も大事なのだと思います。
 
 
 

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掲載日: 2021.10.21

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