【再掲載】敬語か?タメ口か?ーー介護の中で葛藤する人々|むつみ庵(大阪府池田市)②

グループホーム「むつみ庵」日高さんへのインタビュー第2回。今回は、むつみ庵で働くスタッフの方々についてお伺いしました。とても介護をするには向いていない、しかし暖かな空間に包まれる古民家で、どのような働き方をされているのでしょうか?そこには、むつみ庵ならではの独特な人間関係がありました。
 

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むちゃくちゃ急な階段があるグループホームのお話

 
むつみ庵の付帯施設「むつみ寮」
 
ゆっくりと、暖かな人間関係
 
ーースタッフは紹介で来られるとのことですが、どのようなメリットがありますか?
 
日髙 明さん(以下、日髙):やはり、寺院やスタッフの知人のご縁で来られる方は、すでにある程度の信頼関係が出来ており、お互い責任を持って仕事に望んでくれます。その意味で、コミュニティの中での雇用は安定感がありますね。
 
ーースタッフはどのような働き方をされているのでしょうか?
 
日髙:スタッフは主婦の方で、フルタイムではなく空いた時間に働いておられる方が多いですね。年齢層は最高齢が70代、最年少が20代で、50代〜60代の方が中心です。みなさん比較的長い期間働いておられます。中には入居者さんのお孫さんが働いてくださったりと、ご縁を感じますね。
 
ーー入居者さんのお孫さんが!それは興味深いですね。
 
日髙:その方は就労経験が無かったのですが、その方の父親の紹介で試しに働いてみたら相性が良かったようで。かれこれ勤続3年、今では主力の一人です。もしかすると、効率やスピードを重視する企業よりも、のんびりしたところで高齢者のケアをするという働き方がフィットしたのかもしれません。
 
ーー確かに、スピード感は違いますもんね。
 
日髙:スピード感は全く無いですね。むしろ入居者さんのゆっくりしたペースに合わせることが求められます。そして、スタッフは「細かな変化」に気づけるかどうかがとても大切なんです。
なぜなら、グループホームの入居者さんは身体の変化がそんなに大きくないんですよ。劇的に改善することはないですし、かと言って容態が急に悪化することも少ないです。悪い変化は少しずつ現れることが多いですから……。
 

自然な人間関係で共有する「細かな変化」

   

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掲載日: 2021.12.03

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