【再掲載】敬語か?タメ口か?ーー介護の中で葛藤する人々|むつみ庵(大阪府池田市)②
自然な人間関係で共有する「細かな変化」
ーー細かい変化ですか。例えばどのようなものでしょうか?
日髙:それはもう、本当に細かすぎて伝わらないレベルの細かさです(笑)。例えば、ある入居者さんが階段を降りるときに、いつもは右足から踏み出していたけども先日は左足からだったとか、そんな細かさです。
ーーそうした細かい変化の情報共有はどうやって行っているのでしょうか?
日髙:意外にも、スタッフ同士の雑談だったりします。細かな変化をスタッフ自身が気づくかどうかはケースバイケースで、そしてそれが重要なのかは後になってみないと分からない。となると、記録としては残しづらいんですよね。なので、改まった会議ではなく休憩時間での雑談を通して自然に共有されていますね。
それと、スタッフによっては細かな変化の解釈が分かれることもあります。例えばAさんとBさんの関係が、あるスタッフには険悪になったと見えても、別のスタッフにはそう見えなかったり……。そうした解釈のズレも雑談の中で擦り合わされています。
インタビューに応じる日高さん
サービスと素の人間関係の絶妙なバランス