【老後の悩み】長男夫婦が母を施設へ入れた。これは介護放棄ではないか。
人生に「老苦」はつきもの。老いと上手に向き合い、前向きに暮らしていきたいものです。今回は、老後のさまざまな悩み相談を受け付ける「京都府高齢者情報相談センター※」の相談事例をご紹介します。
相談内容
相談者は次女。88歳の母の事で相談。
母は長男夫婦と同居していたが、家の中で転倒して大腿骨を骨折し入院。退院後は自宅に戻って長男夫婦に介護をしてもらえると思っていたのに施設に入ってしまった。母に会いに施設に行ってみると、暗い部屋にぽつんと座っていて「家に帰りたい」と言っていた。これは介護放棄ではないか。
回答
詳しくお聴きすると、施設に会いに行ったのは施設に入所した直後の1回だけでした。「お母さんの介護を長男夫婦に任せず、あなたが引き取って介護をされたらどうですか」との質問には「家も狭いし、体力的にも無理」との事。お母さんが施設に入所されたのにはきっと理由があると思うので、長男夫婦とはよく話し合いをしてほしいと伝えました。施設へ入所されたばかりの頃は皆さん「帰りたい」と言われますが、施設に慣れてくると落ち着かれてくる場合もあります。
後日お電話があり、「再度施設へ行ってみると、母がとても楽しく過ごしている様子を見る事ができました。母自身も『良くしてもらっている』と言っており、安心しました」と報告をいただきました。施設への入所=介護放棄ではありません。介護のプロにお任せした方が良い場合もありますので、介護疲れで倒れる前に上手に介護サービスを利用されることをお勧めします。
2014年8月号掲載
※相談内容及び回答に基づいて行動に移される際には、最新の情報をお確かめください。
相談事例引用元はこちら
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他力本願ネット
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掲載日: 2022.12.28