管理栄養士として、僧侶として。いのちを繋ぎ、世界を笑顔に。│原田慈縁さんインタビュー<後編>
管理栄養士として、僧侶として。いのちを繋ぎ、世界を笑顔に。│原田慈縁さんインタビュー<後編>
(写真提供:原田さん)
僧侶でありながら、管理栄養士としてもご活躍されている原田慈縁(はらだ・じえん)さん。
そんな原田さんは「日本スポーツ栄養コンディショニング協会」の代表として、「食」というものを通じて心と体の両面から、スポーツ選手を支えておられるそうです。インタビュー後編では、原田さんのご活動の様子をお聞きしました。
摂食障がい、自律神経失調症を経て、栄養の大切さを伝える僧侶|原田慈縁さんインタビュー<前編>
「自分を大切にする」という感覚が置き去りにされている?
――前回に引き続きお話を伺います。原田さんは僧侶であり、また管理栄養士として日本スポーツ栄養コンディショニング協会の理事長もされていると伺いました。日本スポーツ栄養コンディショニング協会とは、どんな協会なのでしょうか?
原田慈縁さん(以下:原田):私が理事長を務める日本スポーツ栄養コンディショニング協会は、「スポーツ栄養で怪我を防ぎ120%の力を出せる健康な身体作り」を目指して設立され、スポーツ栄養学などその他さまざまな最新の情報を提供します。それによって、ケガのしにくい健康な身体づくりをともに目指し、皆さんの人生に貢献しています。スポーツをする方のパフォーマンスを上げる指導によって、一生涯健康でいられる選手を育てることができ、またそういった指導を行える「スポーツ栄養コンディショニングアドバイサー」の育成に力を入れています。
また当協会には、「5つの花を咲かせます」というスローガンがあります。
私たちは、スポーツに関わる人々を食から応援することにより、
日本中に笑顔の花が咲き、愛にあふれた世界になることに貢献いたします。
5つの花を咲かせます。
一般社団法人日本スポーツ栄養コンディショニング協会より
スポーツにも、食にも人を元気にする力がある。スポーツに関わる人びとを、食を通じて応援することによって日本中に笑顔の花が咲き、愛にあふれた世界になることに貢献する。これが当協会の理念です。管理栄養士と僧侶という両方の特性が、協会の代表として活きていると感じています。
――この協会の理念は原田さんの思われる食や栄養の在り方ともリンクし、管理栄養士としての力を発揮されている場所なのですね。管理栄養士としてはどのような活動をされてきたのでしょうか?
原田:管理栄養士になったあと、小学校や保育園、特別支援学校などの給食の現場に入って働きました。そこで発達障がいのある子どもたちにも多く出会ったのですが、そうした子どもたちに対して、向精神薬の投与が行われていることを知り、唖然としました。
私もかつて、薬を飲んでも状態がよくならなかった経験があるので、そんな現実を目の当たりにして、改めて近代西洋医学だけでは根本的な解決にならないと思うようになり、心理学などほかの分野も学ぶようになりました。