シングルマザーの悩みから生まれた地域の子ども食堂|八幡真衣さんインタビュー<前編>
焼肉店店長、給食のおばちゃん……さまざまな人に支えられて。
(画像提供:八幡さん)
――多くの人に支えられているのですね。
八幡:そうですね。吉崎別院でも多くの出会いがありました。活動を始める際には別院の輪番さんに「朽ちてゆく本願寺吉崎別院を勝手に応援する会」というチームを紹介していただき、そのメンバーである木村共宏さんに出会いました。木村さんには現在、一般社団法人の理事を務めていただいています。
他にも、自動車の整備士さん、体操のインストラクターの方など、多くの出会いがありました。自動車の整備士さんにはタイヤの交換、体操のインストラクターの方には体操教室の支援をしていただいています。おかげさまで、「食」だけにとどまらない多様な支援を展開することができました。
――ご活動の中で、大切にされていることはありますか?
八幡:子ども食堂に参加する人に対して、先入観を持たないことです。確かに、子ども食堂にはシングルマザーの方や障がいを抱えた方、独居の高齢の方など、支援が必要な方が多数来られます。でも、「ひとり親」や「障がい者」といった言葉で一括りにするのは非常に差別的だと思うんですよね。
行政が支援を考える中での区別は必要ですが、現場に立って実際に支援するときは関係ありません。そうした垣根を超えて、みんなが一緒の空間で過ごせる空間を用意することが私の理想です。
また、運営面で大切にしているのは兎にも角にも「けが人を出さない」ことです。最後に振り返って、けが人が出なかったら大成功なんです。そのことは、食堂を実施する前の打ち合わせでも必ず共有するようにしています。
――ありがとうございました。
インタビューは後編に続きます。
後編では、近年取り組まれているご活動の様子をお伺いしたほか、地域子ども食堂の活動を行う意義についてもお話しいただきました。
「大丈夫だよ」と言える他人を目指して。|八幡真衣さんインタビュー<後編>