葛藤[かっとう]の意味とは?【くらしの仏教語豆事典】
葛藤[かっとう]…どちらも譲らず絡まりあう
「心の葛藤」といえば、
心理学の用語として有名です。
心の中に、それぞれ違った方向あるいは相反する
方向の力があって、その選択に迷う状況をいいます。
これが問題なのは、現代社会の中で増大しているいろいろな
形の神経症や異常な性格形成の素因と考えられるからだそうです。
葛藤は「かずら」と「ふじ」です。
ともにつる草で、絡まり合ったり、まとわりついたりするので、
一般には、悶着(もんちゃく)・相克(そうこく)・抗争の意味に使われ、
欲求の心中での対立という
心理学の用語となりました。
仏教では、このつる草が樹にまとわりついて、
ついには樹を枯死させてしまうように、
人が愛欲に堕(だ)すると、自滅してしまうと教え、
愛欲煩悩を「葛藤」にたとえています。
(『出曜経(しゅつようきょう)』
禅では、文字・言句のみにとらわれることに
たとえられています。
そして、このように絡み合っているところを、
一挙に断ち切る一句を「葛藤断句」といいます。
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他力本願ネット
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掲載日: 2012.12.17