挨拶[あいさつ]
挨拶[あいさつ]… 悟りの深浅を試していた
「一言、ご挨拶を申し述べます」-儀式などのときに、
よく聞かれる言葉です。
挨拶状などという手紙が来たりもします。
ちょっとすごんで「挨拶してやるぞ」とか、
冷たく「ご挨拶ですね」とか、
挨拶は今では日常語になりました。
しかし、挨拶はもともと仏教語なのです。
挨は「押す」こと。
拶は「せまる」という意味から、
挨拶は、前にあるものを押しのけて
進み出ることをいいます。
禅家では、「一挨一拶(いちあいいっさつ)」といって、
師匠が門下の僧に、
または修行僧同士があるいは軽く、
あるいは強く、言葉や動作で、
その悟りの深浅を試すことがあります。
これが挨拶なのです。
そこから転じて、
やさしく応答とか返礼、儀礼や親愛の言葉として使われるようになりました。
最近は、日常の挨拶が少なくなったように思います。
日々の暮らしを円滑に過ごすためには、まず挨拶からですね。
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「くらしの仏教語豆辞典」より転載
(ホームページ用に体裁、ふりがな等を調整しております)
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掲載日: 2012.12.25