悔いのない人生と明るく前向きな社会の実現を目指して|清水祐孝さん((株)鎌倉新書 代表取締役会長CEO)インタビュー<後編>
ーーこれからの時代、お寺の役割は何でしょうか?
清水:仏教を求める方は確実に存在しますので、教えをわかりやすく伝える翻訳的な機能が大事だと思います。お寺はスポーツクラブ的な収入構造だと考えていますが、一方でスポーツクラブのように気軽な休会や退会が難しいことに不便さを感じる方も中にはいらっしゃるかと思います。帰属することへの満足感を提供していくことが求められているのではないでしょうか。
ーー今後の展望を教えてください。
清水:たまたま父親が仏教書の会社を経営していて、潰れそうだったところをなんとか立て直そうと必死でやってきました。いま、全く想定もしていなかったところにきています。日本は超高齢社会になり、不安やお困りごとをお持ちの方が増えています。その方々にメディアとして適切な情報を届けていき、社会のお役に立ちたいと思います。「終活インフラ」を突き詰めることで、その理想に近づくと信じています。また、限りある人生ですので、私個人の活動としては民間企業ではできないような領域にも力を注ぎたいと考えています。人々が悔いのない人生を生きられる、明るく前向きな社会を実現するために尽くしたいと思います。
ーー本日はありがとうございました。
社員懇親会の様子(新型コロナウイルス感染症拡大前)(画像提供:(株)鎌倉新書)
プロフィール
清水 祐孝(しみず ひろたか)さん
1963年生まれ、東京都出身。慶應義塾大学を卒業後、証券会社勤務を経て1990年に父親の経営する株式会社鎌倉新書に入社。同社を仏教書から、葬儀や墓石、宗教用具等の業界へ向けた出版社へと転換。さらに「出版業」を「情報加工業」と定義付け、セミナーやコンサルティング、さらにはインターネットサービスへと事業を転換させた。