故人を大切にする社会は、生人も大切にする社会|全日本葬祭業協同組合連合会 専務理事 松本勇輝さんインタビュー<前編>

 
超高齢・多死社会を迎え、葬儀に関する価値観も大きく変わりつつあります。多様化するニーズに対して、葬儀業界はどのように対応しているのでしょうか?日本最大の葬祭事業者の組織である、経済産業大臣認可全日本葬祭業協同組合連合会(以下、全葬連)の松本勇輝(まつもと・ゆうき)専務理事にお話をうかがいました。
 

松本勇輝専務理事

 

葬儀をブラックボックス化させない

 
――全葬連の主な事業は何ですか?
 
松本勇輝さん(以下:松本):全葬連は信頼できる葬儀社の全国ネットワークです。全国にはおよそ5000から6000の葬儀社があると言われています。そのうち全葬連に加盟しているのは全国57事業協同組合(令和4年8月現在)、所属員数1,258社(令和4年8月現在)です。各地の組合が全葬連の直接の会員になり、葬儀社は孫会員にあたります。取引実績がある、あるいは推薦者がある、などの一定の基準に基づいて加盟を審査します。
 
葬儀社の多くは地域に密着した社員10名以内の企業であり、そのクオリティはさまざまです。そこで、全葬連が葬儀社として消費者の方に信頼してもらえる基準を定めています。2007年に全葬連が制定した「葬祭サービスガイドライン」は、顧客情報の守秘義務、説明責任、料金体系の明確化、見積書交付の義務化について定め、葬儀社の信頼性の向上に努めています。
 
――葬儀社の質の担保が、なぜ重要なのでしょうか?
 
松本:葬儀社は認可制ではなく法人登記すれば誰でも始められるため、悪質なサービスが提供されてしまうおそれがあります。たとえば、ホームページで安く受注して、後から高額を請求するなどのトラブルがあります。葬儀は、ペットボトルのお茶のように日常的に消費するものとは異なるため、サービスを比較しづらいこともブラックボックス化しがちな要因だと思います。加えて、葬儀は軽自動車が買えるくらいの高額なものであるにも関わらず、短期間で葬儀のプランを決めなければならないという難しさがあります。
 
――全葬連が運営するサイト「お葬式検索.jp」の目的や特色を教えてください。
 
松本:安心できる葬儀社があなたの地元で見つかります、というコンセプトで運営しています。そのため価格を前面に訴求するのではなく、まずは電話帳式に網羅的に情報を掲載しています。葬儀社との相性は合う、合わないがありますから、直接相談するのが一番です。葬儀は一件ずつオーダーメイドなので、一律の価格を示すことは難しく、まずは見積もりをとることが大事です。最近は生前の予約をする方が増え、葬儀社をしっかりと選べるようになりました。
 
2000年頃はまだ、葬儀を宣伝すること自体もまだまだタブーの雰囲気がありました。チラシを入れると、苦情があったりしたのです。しかし、いまや葬儀について相談したりすることは当たり前になりました。核家族化で周りの親戚に相談しづらくなったため、どこの葬儀社がよいのか、ということを自身で情報収集するようになりました。いまや葬儀社も選ばれる時代だといえます。
 

施主のために、言いにくいことも伝える

   

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掲載日: 2022.10.26