お寺で歌の会|京都府明覺寺ー明歌会
「お寺でできる100のことーお寺の活用事例集ー」では、様々なお寺の新たな取り組みを紹介していきます。
気になっているお寺を訪ねてみたり、自分のお寺の活動の参考にしたい!などなど、あなたの人生を豊かにするお寺の新たな活動を見つけてみてください。第3回でも、引き続き明覺寺(めいかくじ)さんの活動をご紹介します!
「お寺でコワーキングスペース」「夕方市」に続き、2つめの活動は……「お寺で歌の会(明歌会)」です!
〜お寺で歌の会(明歌会)とは?〜
明覺寺で月に3回ほど開催される、歌を練習する会のことです。講師は歌手でもある住職です。上手に歌うことよりも、楽しく歌うことを目的としています。
合唱団ではないので、それぞれの都合に合わせて参加することができます。また、門徒以外の方も参加できます。そして、懇親会や発表会などの特別企画もあります。
〜「歌の会」の始め方〜
①講師を決定する
→「明歌会」では住職が講師を務めています。歌や演奏が上手な僧侶やご門徒の方、または外部の方に、講師をお願いしても良いでしょう。
②会場を準備する
→会場となる本堂や別棟に、机や椅子、演奏で使うピアノ等を準備します。
③参加料を決める
→「明歌会」では1回500円を参加費として徴収しています。集まった参加費は、楽譜の印刷や、練習後の茶話会などに使用します。
④お寺のSNSや掲示板、チラシで宣伝する
→事前にお知らせしてあげると、人が沢山来てくれますね!
〜副住職にきく!もう一工夫!〜
・お寺の門に、看板やチラシを設置する
→注目を集めるような看板を用意しましょう!明歌会のチラシをお寺の前に置いておくと、すぐになくなっていますよ!
・茶話会をしよう!
→歌の練習の後は、ぜひ茶話会をしましょう。お茶を飲みながら、一緒に練習した方とお話しする時間はとても充実します。この茶話会を楽しみに来られる方もいますよ!
・発表する場を作る
→発表する場があると、練習にも気合いが入ります。明覺寺ではお彼岸の法要の時に発表会があります。
〜やってみるメリット〜
・簡単に開催できる
→講師へのお願いと会場の準備さえできれば、開催できます。歌以外でも、何か特技が住職やご門徒の方が持っていれば、その特技で新しい会を結成できるかも……?
・お寺の法要に参拝する人が増える!?
→発表会がお彼岸の法要の時にあると、ご門徒ではない会員さんも、一緒にお彼岸のお参りをされます。また、明歌会を通して、明覺寺に親しみを持ってくださった方は、発表会がない法要にも参拝してくださっています。
・他の行事の参加者も増える!?
→法要だけでなく、第2回で紹介した「夕方市」や、明覺寺のツアー、西本願寺への団体参拝といった他の行事にも、明歌会の会員さんが参加してくださっています。
〜活用する上での注意点〜
・近隣への気配りを忘れずに
多くの方がお寺に集まる時は、駐車や駐輪場所の整備をする必要があります。また、大きな音が出る会であれば、騒音で近所のトラブルにならないよう注意する必要があります。また、開催時間を夜の遅い時間にはしないようにしましょう。
明歌会はさほど大きな音が出ないので、苦情は全くありません。むしろ、心地の良い歌声が道を歩く人々の癒しにもなっているとのことです。
・本格的にやりすぎない
明歌会は「コーラス」ではありません。童謡など懐かしい歌を楽しく歌う会です。気軽に参加できる雰囲気が好評を博しているようです。本格的なコーラスをするならば、また違うやり方で企画しましょう。
明覺寺副住職 柱本惇さんの声――
明歌会の会員は30人ほど登録しておりますが、半分以上はご門徒以外の方です。また、会員に登録していない方も参加できます。「歌の会」と聞くと、女性をイメージしますが、男性の方も参加してくださっています。
毎月8日、18日、28日と、「8」がつく日に開催しているので、皆さんにも認知してもらいやすくなっています。曜日が固定されていないのも、多くの方が来てくださる理由の一つかもしれません。
毎回の茶話会も賑わっているのですが、面白いことに、歌の練習後の皆さんの話し声が大きくなり、表情も明るくなっているんです!歌を歌うことによって、心も身体も元気になるんでしょうね。
参加費の500円という値段設定も丁度良いのかもしれません。参加費を払うことによって、茶話会でのお菓子も、皆さん気を遣うことなく食べていただけますからね。
歌だけでなく、それぞれの特技を生かし、様々な会を開催して、お寺が活性化されることを願っています。
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