葬儀を通じて考える、持続可能な家族のあり方|お寺で知る終活講座第4回レポート
質疑応答の記録
A.「家族葬」という言葉は定義がはっきりしていません。一般葬や2日間かけてする葬儀の形でも家族だけでするならば家族葬と呼びますし、あまり厳密な定義はないようです。
A.ご葬儀の日程は、宗教者の方と火葬場葬儀会館の都合が中心になるのですが、献体の方は葬儀の際に火葬をされないので、火葬場の都合が勘案されなくなります。そのため、宗教者の方と葬儀会館の日程だけで葬儀の日を決めることが出来るようになります。
また献体の場合は、研究などに使われた後火葬されることになります。遺骨は残ります。
A.ご家族によって違いますが、私の場合は祖父の五十回忌は私の兄弟と、その配偶者だけ参加しました。ご家庭やご親族の事情にもよると思いますが、出来るだけ多くの方に参加していただいた方が良いのではないでしょうか。
A.(研究員)これは浄土真宗の場合ですけれども、葬儀をはじめとする仏事は阿弥陀仏に対するものですので、そうした仏事は大切にしていただきたいと思っています。
今回お話にあったように、家族や血縁を中心とした共同体のための場として、また信仰でつながった共同体のための場として、仏事は大切にしていただきたい、と思うのが私たちの思いです。
ただ、一日葬や直葬などがさまざまな事情で増えているのは事実ですので、今後そういった仏事をどのような形で続けていくのかといった問題はまた今後、考えなければいけないと思っています。
この新型コロナウイルスによる感染症拡大の影響で、僧侶によってはオンラインの葬儀や法事などさまざまな工夫をされています。葬儀や法事が不要不急とされ、簡素化に拍車がかかっていますが、一番危惧しているのは、この感染症拡大が終息した後もこのままの状態なのではないかということです。
だからといって全部今まで通り、というのも現実的ではありませんので、小規模であっても続けていけるよう、さまざまな工夫や努力を重ねていきたいと考えています。止めてしまうのは簡単ですが、「失ったもの」に後から気付くということもあると思いますので、そうしたことがないようにしたいと思っています。
A.のこす側が主導するのも良いですが、やはり望ましいのはその際にコミュニケーションをとっておくことです。私は神奈川県川崎市の葬儀会館でシニアの方にスマートフォンの使い方を教えたりしています。
そこで親しくさせていただいている方は私が葬儀社をしていることをご承知ですから、葬儀の話題が雑談のように出ます。そういったお話を伺っているとき、「こんな形のご葬儀がされたいのかな」と、設計書のようなものをお渡しして提案させていただくこともあります。
亡くなる方がそれをご家族と共有されることはほとんどありませんが、それでもご葬儀の際には私にご連絡をくださる。その際にその故人さまから聞いたお話などをすると、その設計図の通りにご葬儀をされることが多いです。
故人さまの希望も叶えられますし、ご家族も色々思い悩むことがありません。この場合は私が間に立っていますが、先に具体的なお話をされておくとご家族の負担が少なく、スマートに済むように思います。
A.私が見た限りではありませんね。そうしたコミュニケーションが円満に済む家庭はもとより円満ですし、問題がある方は葬儀の際にそれが表面化します。ただ、葬儀社と生前に相談しておくと、「故人が言っておられたのだから」と、兄弟や親族の間でのトラブルは減るようです。ですので、葬儀社と事前に準備を進めておくことはおすすめいたします。
遺品整理などの問題でも同様です。生前に準備を進めておけば、所有者本人からの了解が取れますので整理がスムーズですが、所有者が亡くなっている場合は多くの人から了解を取らねばならないため、なかなか物事が進みません。葬儀でもそういった問題があるように思います。
A.葬儀に関していえばお墓などの問題もありますが、ご両親のお住まいになっている地域の葬儀社さんに事前に連絡をしておくことが重要かと思われます。
葬儀の際にしなければならないことなどはインターネットで知ることが出来ますが、それでもその中のどこからどこまでが必要な情報かに関してはその地域ごとにやり方が違う場合もありますので、地元の葬儀社と話をして聞いておくとスムーズです。
出来れば実際に会って、葬儀の担当者がどんな人なのか、質問がしやすいかなどを把握されるのが良いと思います。