今から始める。エンディングノートの書き方|お寺で知る終活講座第5回レポート
質疑応答の記録
A.エンディングノートは、あまりしまい込みすぎると分からなくなります。ですから私は普通に本棚の中に入れていただいておくのが良いのではないかと思っています。すぐには見つからないし、かつ見る人が見たら分かるようになるのではないかと思います。預金のことなど第三者の方に見られたくない事も書いてあると思うので、すぐには分からないけど探せば見つかる、というようなところが良いと思います。
また、ご夫婦は必ず一冊ずつ書いてください。2人で一冊と思っておられる方もいらっしゃいますが、そうではありません。ご主人はご主人、奥様は奥様、それぞれで一冊ずつ書いてください。そして、書かれたらお互いどのようなことを書いたのかを共有しておいてください。
A.あまり誤解やトラブルが生じた例を聞いたことはありませんが、最後にしてほしいことがあります。エンディングノートを書いたからといって、書いたことが思い通りに実行されるとは限りません。ですから、お子さんなど実行される方にその理由や思いなどをしっかりと共有しておくことが大切です。これからのことを考える良い機会にもなりますから、エンディングノートを書くことは、残される方のため、ご自身のために、ぜひしっかりと書いて共有していただければと思います。
A.任意後見契約公正証書については逆です。これについてはご自身の判断能力があるうちにしか作れません。それにまだご自身は認知症になっていないので、報告をする必要もありません。
まず、公正証書は認知症になる前に作る。そしてその公正証書が効力を発揮するのは、あなたが認知症になってから。それまでは何もしなくて良い。ただ、作ってもらうお金と保管料はかかります。その後は、毎年お金がかかるようなこともないので、なるべく早く作られた方が良いと思います。
A.自筆証書遺言を法務局が預かるサービスがあります。
遺言書は、整理されていなかったり間違いがあったりすると、遺言書としての体をなしません。また、お家で保管していた遺言書の場所をお子さんたちが知らず、「遺言書がない」という判断になった例もあります。
さらに、破られたり書き換えられたりと、遺言書を家に保管することで起きるトラブルもあります。そういった問題を防ぐために法務局が預かるというサービスが2021年7月にできました。法務局に自筆で書いた遺言書を持って行くと、法務局の人が遺言書として整っているかどうかを確認し、問題なければ保管してくれるというサービスです。
今までは家で遺言書を保管していた場合は、ご本人が亡くなられて、家庭裁判所に遺言書を持って行き、検認の手続きが必要で終わるまでに一か月ぐらいかかりました。それが法務局で保管している場合は、保管前に一度法務局で確認されたものなので、検認の手続きなくそのまま持って帰れます。約4000円要りますが、預かってもらっておいた方が安心だと思います。
預かってもらう場合、ご自分の住民票があるところ、もしくは本籍のあるところで預かってもらえます。法務局に行くときは、必ず電話で予約をしてから行ってください。
A.京都SKYセンター(高齢者情報相談センター)で発行しているエンディングノートには「尊厳死の宣言書」が挟んであります。それのみほしい場合は京都SKYセンターの窓口に来ていただければ無料でお渡しすることもできます。