仏教体験を通して、若い世代にも身近なお寺へ|「大人のための寺子屋」―福岡県信行寺<中編>
「大人のための寺子屋」で得られた気付きとは?
「大人のための寺子屋」の様子(写真提供:神崎さん)
――「大人のための寺子屋」での学びを通して、どのような気付きがありましたか?
神崎:まず、私自身の気付きとしては、世間のニーズと仏教の魅力をマッチさせるにはどうすれば良いのか、という問いが生まれたことでしょうか。伝統的に行われてきた方法を実践するのも一つの道ではありますが、他にもいろいろな方法があって良いのではないかと思います。
仏教やお寺は歴史も長く、多くの方に評価されてきたものです。ですがその魅力を知っていただくためには、ガイドが必要だと思うんです。我々僧侶がそういう存在になれれば、世間にとってもっと仏教やお寺が身近になっていくのではないでしょうか。その意味で、自分自身の立ち位置が明確になっていきました。
そして、参加された方の気付きとしては、「生かされていることへの感謝」でしょうか。
例えば「死の体験旅行®」では、擬似体験ではあるものの、自分が本当に大切にしているものを手放していくことになります。家族や友人と別れていかなければならず、自分自身もいずれは命を終えてゆかなければならないと知ったとき、今生きているだけでも尊いことなんだ、と涙ながらに気づかれた方がいました。
――最後に、今後の展望について教えて下さい。
神崎:今後は企画を通して、私が魅力的に感じているお寺を会場としてお借りしたり、面白い取り組みを行われている僧侶の方と一緒に仏教の魅力を発信したりしたいですね。また、参加者の方々がそれぞれのご仏縁の中で、「生きていて良かったな」と感じられて、ほっと出来るような場所になれれば良いと思っています。
「終活講座」と同じく、現在は新型コロナウイルス感染症の影響で実施を見合わせていますが、こちらも頃合いを見て再開する予定です。
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