民生委員に向いている人は「きりかえのはやい人」?|民生委員・「みなカフェ」活動ー北海道千正寺
みなカフェの告知ポスター(千歳市社会福祉協議会HPより引用)
ーー催しを実施されて、何か気付きはありましたか?
高塚:単純に、良いご縁だったと思いますね。民生委員の活動をお受けしてから、「門信徒のお寺」だけではなく「地域のお寺」としての側面も持ち合わせるようになったと思います。
「みなカフェ」には他の民生委員の方が視察に来られることもあれば、門信徒の方が参加者として来られていることもあります。この催しに来られて、実は千正寺の門信徒だったという気付かれるケースもしばしばありますね。葬儀や法事ではない、新たなお寺とのご縁の結び方になっているのではないでしょうか。
ーーお寺の方が民生委員を担ったからこそ実現できたイベントでもありますよね。
高塚:イベントもそうですが「民生委員」という役割があることで、社会的な側面からもお寺の存在を認知してもらえるというメリットはありますよね。やっぱり、門信徒の方であってもお寺やお寺の人をどこか縁遠く、関わりづらい存在と認識しておられる方がいらっしゃいます。
でも、民生委員を担うことで、お寺も地域のために活動しているんだ、と思っていただくことで、関わりづらさが軽減されるようです。
あくまでも実感値ではありますが「みなカフェ」活動を始めてからは、これまで接点のなかった人がお寺に来られるようになり、お寺の坊守さんが民生委員をされているなら安心していけるというお声もいただきました。その意味で、民生委員を引き受けてからは立場が少し変わったように感じます。
民生委員として活動を始めてから、法要以外でもお寺に来てもらえるようになりました。徐々にお寺に対する入りづらさが薄まったのではないかと思っています。
そして、地域の中で千正寺が認知され続けるためには、とにかく「お寺が嫌われないこと」が重要だと思っています。まずはお寺に立ち入ってもらわなければ、その先もありませんよね。
ーーありがとうございました。
編集後記
今回は、北海道千正寺の高塚さんに民生委員の基本から活動の実態まで、あらゆることを教えていただきました。高塚さんが民生委員としてご尽力されるその背景には「お寺が嫌われないように」という願いがあるそうです。
インタビューは後編に続きます。後編では、そんな高塚さんが「お寺が嫌われないこと」という危機感を持つ背景や、民生委員の他に実践されていることについてお伺いしました。
お寺を嫌いにならないために。|「ゆかり広場」、「味噌づくり」活動―北海道千正寺(7月29日公開予定)