電話に次ぐ、新たなお寺の連絡手段?|お寺のLINE活用術―広島県崇興寺<前編>
広報、悩み相談……活用法はいろいろ
――どういった活用法があるのでしょうか?
枝廣:活用法はいろいろあると思いますが、崇興寺では以下の3つの活用を行っています。
1つ目は第二の電話番号として、2つ目は悩み相談の窓口、そして3つ目は子ども会やサマースクールのお知らせです。
2つ目に関しては、通話機能を活用して悩み相談を受け付けています。3つ目に関しては、メーリングリストのような形で活用する方法です。例えば、「明日の土曜学校ははさみを持ってきてください」といった内容を、登録してくださった親御さんに向けて発信しています。
――アカウントの運営に、費用はかかるのでしょうか?
枝廣:費用については、メッセージをこちらから1か月に1000通まで送る分は無料で運用することができます。極端な例ではありますが、登録者が1人であれば1000回送ることができ、1000人の登録者がいらっしゃれば月に1通だけ送ることができる、ということになります。
なお、これはあくまでも一斉送信の回数制限であって、個別にやりとりする分は回数制限なく使うことができます(2022年7月時点)。
――個別にやりとり、というのはどういうことでしょうか?
枝廣:公式アカウントに登録した方は個別にメッセージを送ることが可能で、アカウントの管理人はそのメッセージが届いたら返信することができるようになります。そこからやり取りが始まる、ということですね。
――門信徒の方にはどのようにLINE公式アカウントのご案内をされているのでしょうか?
枝廣:先日葬儀があり、枕経で門信徒の方と打ち合わせを行いましたが、最後にLINE公式アカウントの案内も行いました。崇興寺とインターネットで検索してもらいホームページを開いてもらうと崇興寺のホームページにはLINEの友だち登録がワンタッチでできるボタンを用意しており、そこを押してもらったらすぐに登録していただくことができます。
連絡はLINEで出来るので、葬儀のことや今後のことに関する相談や質問はLINEでお気軽におっしゃってくださいと案内しています。すると、葬儀のことや、中陰や年忌法要のアポイントの連絡がくるようになりましたね。
法事や葬儀、お盆参りで門信徒の方とお会いしたときに、スマートフォンを使っていそうな方に案内しています。また、崇興寺で年2回発行している寺報でもご案内しています。
――今後はどういったご活用を予定されていますか?
枝廣:今後はLINE公式アカウントの一番オーソドックスな活用法である「広報」に注力できればと思っています。例えば、お寺からのお知らせやホームページの更新通知ですね。
また、LINE公式アカウントにはお送りしたメッセージの開封率といった分析ツールや、オリジナルクーポンの作成など、いろんな機能がありますが、まだ使いこなせていないのが課題です。
LINEの普及率は、10代~50代ではすでに90%を肉薄していると言われています。今後、お寺の連絡はすべてLINEで、みたいな日が来るかもしれませんね。
ーーありがとうございました。
インタビューは後編に続きます。後編では、LINEの活用法の一つである、悩み相談のご活動についてお伺いしました。
「お坊さんの悩み相談」をLINEでも。|お寺のLINE活用術ー広島県崇興寺<後編>