子どもたちの健やかな成長を願って。お寺を活用した子育て支援。|子育て寺子屋―北海道真宗寺

 

「子育て寺子屋」とは?

 

(画像提供:朝倉さん)

 
――概要とご活動のきっかけを教えて下さい。
 
朝倉:きっかけは地域の子育て支援に課題を感じたことです。この活動を始めた2012年当時は、子育て世代に対しての支援が現在よりも薄かったんですよね。今でこそ支援センターといった子育て施設は増えましたが、当時はそうした施設もありませんでした。
また、私の長女が産まれたこともきっかけです。妻は岡山県の出身で、苫小牧に知人が居ませんでした。地域のコミュニティはすでに関係ができあがっているので入りづらいですよね。そこで、催しを通して妻も馴染むことができるコミュニティを形成できればと思ったんです。
 
――催しの中で、工夫されていることはありますか?
 
朝倉:子育て寺子屋では会員制度や予約制度は取っておらず、時間も催しが行われている限りは何時に来ても、何時に帰っていただいても良いようにしています。このようにすることで、なるべく利用者さんの都合に合わせられますよね。忙しい方も多いので、なるべく負担がないように工夫をしています。
 

催しの様子(画像提供:朝倉さん)

 
――催しの流れを教えて下さい。
 
朝倉:平日の10時からスタートし、ある程度集まっていただいたらまずは車座になって子どもたちの「名前呼び遊び」を通して、子どもたちの名前を一人ずつ呼んであげます。この遊びを通して、参加しているお母さんたちが、他のお子さんの名前を知る機会になりますよね。
初めて来た時はまだ赤ちゃんで返事ができなくても、1年や2年するとちゃんと座って「ハイ!」と返事をしてくれるようになるんですよね。子どもたちの成長を感じられる喜びがあります。
 
その後はお母さんやお父さんにも5分ぐらいで自己紹介をしていただきます。その際、例えば「子連れでも入りやすいお店」といったテーマを設けて、自己紹介とともにちょっとした情報共有もできるような工夫をしています。苫小牧は転勤で来られる方も少なくないので、出身地の自己紹介をすることで同郷の人同士がつながるきっかけにもなっていますね。
 
自己紹介タイムが終わった後は手遊びや体操を行います。赤ちゃんはまだ自分で体操ができないので、お母さんが抱っこしてできる体操や、ハイハイをしていただいています。お寺の壁にタッチして振り返ってペンギン歩き競争、みたいな感じでしょうか。2歳までのお子さんでも出来るものを意識してプログラムを考えています。
 
その後は絵本を使って、私が読み聞かせを行っています。ちなみに、絵本は見開き1mぐらいの大型のものを用意しており、子どもたちもその大きさに興味津々です(笑)。
 
――盛りだくさんですね!読み聞かせが終わった後はどういったことをされているのでしょうか?
 
朝倉:その後は、催しが終わる12時まで自由時間としています。ブロックやボールプールといったおもちゃを用意しており、子どもたちに遊んでもらっています。
また、その時間はお母さん同士が話せる場にもなっています。新型コロナウイルス感染症が流行する以前はお茶やお菓子を提供することもありました。ここでコミュニティが形成されていくんですよね。ただ交流が深まるだけでなく、お互いに子育ての悩みを共有することができるのも、この催しの良さではないでしょうか。
 

さまざまな人に支えられて

   

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掲載日: 2023.02.06

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