地域と一緒に作り上げる、マルシェイベントの姿とは|専修寺マルシェ―山口県専修寺<前編>

 

とあるアート作品から生まれたお寺のマルシェ

 

お寺の前に展示された可搬式のシャッターアート(画像提供:高橋さん)

 
――「専修寺マルシェ」とは、どういったイベントでしょうか?
 
高橋:専修寺マルシェとは、お寺と豊北町まちづくり協議会、そしてお寺がある大庭自治会有志とが一緒に開催したマルシェイベントです。境内には地域のキッチンカーによる飲食ブース、町内で採れた野菜や手作りアクセサリの物販のほか、スーパーボウルすくいといった子どもの遊び場を用意しました。また、本堂では山口教区少年連盟の企画で風鈴づくりも行なったほか、私の法話も行いました。2022年10月に初めて開催した催しです。
 

マルシェの様子。飲食ではコーヒー、ジェラートの他、豚汁、焼き芋、ハンバーガーが出店されたという。(写真提供:高橋さん)

 
――どういったきっかけがあり、ご活動を行われたのでしょうか?
 
高橋:きっかけは地元の高校生が豊北地区まちづくり協議会の協力の下、シャッターアートをお寺に展示したことでした。可搬式にしたシャッターに絵を書き、それをお寺の駐車場に設置できないかと打診があったんですよね。そこから発展して、シャッターアートが置かれている期間中にイベントを開催してみようかと検討することになったんです。
そして、イベントのあり方を模索する中で、マルシェイベントを提案してみたんです。最初は2〜3人での立ち話からでした。
 
マルシェと言えばキッチンカーを連想される方も多いと思います。お寺の近所には地域の素材に拘ったジェラート店が有り、以前からマルシェに出店していただいて地域の良さを発信してもらえないかと、ざっくり思っていたのもありました。マルシェという形であれば、そのお店だけでなく、他のお店の魅力も発信できますよね。
 
――マルシェを実施した目的はなんでしょうか?
 
高橋:いろんな方、特にお寺とのご縁の薄い方に来ていただくことがマルシェの最大の目的でした。お寺の場所を知っていても、行く用事がない、何をしているか分からないといった理由で、縁遠いイメージを持っている方も多いと思います。
 
マルシェイベントを通して、行事ごとはもちろん、行事以外でも立ち寄れる場所であることを発信できればと思いました。特に、若い世代にも来ていただきたいと思っていましたが、やっぱり何かしらのきっかけがないとなかなか難しいですよね。地域のお店の協力も仰ぎながら、お寺へのお参りのきっかけを用意できればと思ったんです。
 
――初めてのマルシェ開催とのことですが、準備の段階で大変だったことを教えてください。
 
高橋:初めてのマルシェだったので、とにかく何から準備して良いのかが分からず、苦労しました。でも、振り返ってみると、一緒に企画した方々が主体となって準備を進めてくれたので、私はあまり動いていなかったと思います。準備を通して、マルシェ運営のノウハウを教えていただきましたね。
 
また、開催が新型コロナウイルス感染症のまん延状況にも左右されました。企画当初は夏に開催しようと思っていましたが、感染者数が多かったので秋の開催に変更を余儀なくされたんですよね。ただ、涼しい時期に開催したことで、結果的に熱中症や食中毒等のリスクは軽減されたのではないかと思います。
 
――ありがとうございました。
 
インタビューは後編に続きます。
後編では、イベント当日の様子や、マルシェイベントで求められることについて、引き続き専修寺住職の高橋了さんにお伺いしました。
 

   

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掲載日: 2023.03.07

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