結婚式ってなぜ挙げるの?あなたのいのちに感謝する仏前結婚式│瑠璃庵~le lien~ 田坂亜紀子さんインタビュー

 
――仏教的なテーマを考えるのはどうしてでしょうか?
 
田坂:結婚式をなぜ挙げるのか、結婚式で何がしたいか、という答えを明確に持っている方は実は少ないのではないでしょうか。仏教的なテーマを考えていただくことによって、お二人がこれから生きるうえでより重要なお式になると思うんです。成人式もそうですよね。節目を迎えて環境が変わると自分も少しずつ変わっていかなくてはいけません。こういった儀礼にはその第一歩を踏み出して、新たに変わっていく環境や人間関係を受け入れていくという目的があります。仏教的なテーマには、それらを受けとめるためにこれまでのご縁や、自分や相手が生まれてきた物語を振り返るという目的があるんです。
 
――今までに寄せられた希望にはどのようなものがありましたか?
 
田坂:会場のデコレーションを希望された新婦がいらっしゃいましたね。「お寺にという場所を敬遠してほしくない、むしろお寺で式を挙げるのも良いなと思ってもらいたい」という思いからデコレーションをご希望でした。実際のお式では、来られた方から「お寺のイメージが変わった」等の好意的なご意見もあり、新婦のご希望に添えたのではないかと思っています。
あとは式次第についてのご希望もあります。仏前結婚式では、よく新郎新婦が「誓いの言葉」を読むことがあります。しかし、読みたくないという方もいらっしゃるので、式次第にそれを設けない、別の内容にするなどの提案をさせていただきます。
 
他にも、子どもさんがいらっしゃる場合は一緒に参加できる式にしていただいたり、結婚から時間が経ってからお式を挙げたいというご希望もあります。
 
――式場はやはりお寺が多いのでしょうか?
 
田坂:そうですね。でも、決まりはないんですよ。お寺でのお式はもちろんのことですが、他にはホテルや結婚式場・ゲストハウス、ご自宅で挙げられるケースもあります。 ご本尊が置かれていない会場の場合は、ご本尊をお持ちしご安置いたします。
仏前結婚式の例がある会場はまだ少ないのですが、大体の流れはこちら(プランナー)から指示させていただきますので、どんな場所でもできると捉えていただけると嬉しいですね。
 

(写真提供:田坂さん)

 
――仏前結婚式が選ばれるポイントと敬遠される理由は何だと思われますか?
 
田坂:正直なところ多いのは単純にお寺の家系の方、仏教が好きな方が選ばれているイメージです。
しかし結婚式の形式を選ばれるときに、結婚の本質的な意味を大事にしていただきたいという思いはあります。昨今、離婚率が上がって晩婚化する中で、「永遠の愛を誓う」というフレーズがなんとなく意味を成さなくなっているように感じます。そこで改めて、「私たちはなぜ出会ったのか、なぜ結婚式をするのか」という部分に着目する仏前結婚式が結婚の意味を深めてくれると考えています。
また敬遠される理由としては、イメージの部分が強いと思います。仏教は質素倹約で華やかじゃない、そもそも結婚式とお寺が結びつかない方もまだまだ多いのではないでしょうか。
 
――「私たちはなぜ出会ったのか、なぜ結婚式をするのか」という部分について詳しくお聞かせください。
 
田坂:私は、お二人の出会いを科学してみることができるのが仏前結婚式だと思っています。ロマンチックな出会いもお二人が生まれて来なければそもそもあり得ないことですよね。同じように、お二人が生まれるためにはご両親がいてご先祖がいて……というように脈々と続くいのちによって今のお二人がある。それを教えてくれるのが仏教です。
お二人の人生とともにいのちの連鎖を仏前結婚式で振り返ることによって、より「今」に対しての深みが出るように思うんです。
 
 

○○は仏前結婚式ならでは

   

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掲載日: 2023.03.24

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