【コラム】動物のために、今だからこそできること

新型コロナウイルス感染症の拡大下で見えた可能性

 

 
毎年9月20日から26日は、法律により動物愛護週間と定められている。知らない人も多いかもしれないが、この1週間は地方自治体や団体が協力し、例年全国各地で啓発イベントが開催される。「いつもより少し、動物のことを考えてみる」、そんなきっかけを作り動物にも優しい社会にしようという目的がある。ただ、今年はこれらも軒並み中止。新型コロナウイルスの感染拡大を防止するためである。
 
新型コロナウイルスが日本で初めて確認されたのは、2020年1月。そこからじわじわと感染が広まったが、その危機感が犬猫福祉の現場に伝わるまでは、少し時差があったように思う。
 

<世界の中の日本>

 
世界中のほとんどの国が野良犬などから感染する狂犬病と戦う中、日本は世界でも珍しく、犬より猫の課題を多く抱えている。例えば、長年問題視されている殺処分。犠牲となる命の80%以上は猫で、そのうちの65%以上は、生まれて間もない乳飲み子である。そうして奪われる命をなくそうと、野良猫に不妊去勢手術を施してから元の場所に戻すTNR活動や、保護して譲渡する取り組みも各地で少しずつ広がっている。
 
もう一つ日本の特徴と言えるのは、ペット産業の発展である。実は多くの子犬や子猫が、産まれてからペットショップに並ぶまでの過程で亡くなっている。特に子犬は、毎年殺処分数の2.5倍以上が搬送中などに尊い命を落としているが、その小さな命が存在したことを知る人は少ない。
 

<優しい社会をつくるには>

 

 
犬や猫を取り巻く現状を改善したいという思いから、2016年に動物福祉活動を始め、8か国約70か所の犬猫保護施設を訪ねた。日々行き場を失った命と向き合う人々に「この課題を根源から解決するには?」と尋ねると、国を問わず同じ答えが返ってきた。
 
「Education is the key.」「人の教育です。」と。
 
行き場を失った犬や猫を保護するなどして、直接的に助ける方法も必要不可欠だが、私たちは間接的に現状を改善する方法に力を入れている。それは、犬猫の現状を後世に伝える教育プログラム(講義)や、コミュニティーに根付く「優しい文化」を築くための啓発イベント、そして保護動物にご縁を繋げる譲渡会の開催などである。これらを通して1人でも多くの人が現状を知り、行動を変えるきっかけになれば、いつか命を大切にすることが社会の「あたりまえ」になるのではと考えていた。
 

活動への影響

   

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掲載日: 2021.09.23