もし明日、自分や自分の大切な人が働けなくなったらどうする?|株式会社LITALICO<前編>

 

LITALICOワークスの支援を受ける流れ

 
ーー利用者の方はどういう接点からLITALICOワークスさんへやって来られるのですか?
 
田中:だいたい「医療機関(デイケア・クリニック)からの紹介」「障害者就業・生活支援センターや相談支援事業所など福祉機関からの紹介」「特別支援学校の卒業生」「HP閲覧者」が多いです。
 
ーー「医療機関からの紹介」のクリニックはわかるのですが、デイケアとはどういう場所でしょうか?
 
田中:デイケアとは「精神科デイケア」といって、主な目的は「日中活動の提供」「体調安定」「居場所づくり」などがあります。
社会復帰のためのコミュニケーションの取り方や、雑談の仕方、ストレスのコントロール、あとは認知行動療法を用いながら自分自身の障害と向き合って肯定的に捉えるトレーニングなどを行っている所もあります。
 
デイケアは精神科のクリニックや病院に併設しているのですが、クリニックへの通院と自宅との往復だけしていた方が徐々にコミュニティに入っていくための医療行為として医師の判断で通われる方もいらっしゃいます。
そういった医療機関で体調などをある程度整えてから、次の段階として就職を目指すときに私たちへご紹介いただくことがあります。
 
ーークリニックに来られる方はどういう方が多いのでしょうか?
 
田中:本当にいろんな背景の方がいらっしゃるので、あんまりどういう方が多いというのもないのですが……。
 
企業をリタイアされた方とか、学生さんでも対人関係がうまくいかずに引きこもりになっている方とか、親との関係性に問題を抱えている方、様々な理由でそもそも社会に出られなかった方……本当にいろいろです。
 

ーーそういう方たちがクリニックやデイケアで体調を安定させたり、コミュニティに入る準備を整えたりしたのちに、LITALICOワークスさんへ来られるんですね。
では、「障害者就業・生活支援センターや相談支援事業所などの福祉機関からの紹介」について教えていただけますか?

 
田中:障害者就業・生活支援センターというのは、障害がある方のお仕事や生活面の支援を行なっている福祉機関です。
LITALICOとは違って、ここはあくまでも相談援助が主なので、定期的に通って訓練をするというよりは、予約を取って窓口に来てお仕事について困っていることを相談したり一緒に求人を探したりといった単発的な関わりが中心になってくるんです。
ここに相談には来たんだけれども、本人はすぐに就職する体力とか、仕事の適性がわからない……ってときには一度しっかり訓練を受けてからということでLITALICOを紹介していただくという感じが多いですかね。
 
ーーなるほど。この障害者就業・生活支援センターの役割は他にもあるのでしょうか?少し事業内容のボリュームが少ない印象を受けるのですが……。
 
田中:ここは地域のネットワークのハブ的な役割なんですよ。相談に来られた方の状況に応じて各機関に連携を取るという体制ができていて、その連携先のひとつにLITALICOも含まれるという感じです。
LITALICOにご紹介いただくこともあれば、また別の機関でA型事業所と呼ばれるところに紹介がいくこともあります。
 
ーーA型事業所とは?
 
田中:福祉サービスの1つで、就労継続支援A型のことです。いわゆる一般企業ではなく、昔で言う授産施設や作業所と呼ばれるようなところです。スタッフが仕事をもらってきて、その仕事を障害がある方に提供をして工賃や売り上げがお給料になっていくという福祉的就労の場です。今かなり増えてきています。
 
ーーそういえば、最近買ったチョコレートにも、よく見たら作業所で作っていると書いてありました。そういうところですか?
 
田中:それはB型事業所の方かもしれませんね。A型事業所の他に、B型事業所というのもあるので、そのどちらかではないかと思います。
 

A型とB型は雇用契約の違いなんですよ。A型は雇用契約を結ぶけど、B型は結ばないんです。なので、A型は最低賃金が保証されるけれど週何日何時間は来ないといけないということになります。B型は雇用契約を結ばないため、給料ではなく「工賃」をもらうかたちになりますね。
 
ーーでは、「特別支援学校の卒業生」「HP閲覧者」が来られる場合はどういう流れになりますか?
 
田中:特別支援学校は障害があるお子さんが通う学校なのですが、卒業後にすぐ就職は難しいという場合にLITALICOで訓練を受けるために来られます。
 
HPを見て来ましたという方に関しては本当に「障害 働く」で検索したらLITALICOが出てきたので電話してみましたという形ですね。でも、HPをご覧になった方のなかにはそもそも就労移行というものを理解していない方が多くて、お話を聞いてみた結果、今この方に必要なのはLITALICOワークスではないな……という場合もあります。
 
ーー相談者の方にとって今必要なのはLITALICOワークスさんじゃない……となった場合はどういう対応をされるのでしょうか?
 
田中:様々な支援機関の方に適切に繋いでいくことを心がけています。
たとえば、働きたい気持ちはあるけど、明日生きるためのお金にも困っているという状態の方。そういう場合にはLITALICOワークスで訓練を受けている時間がないので、まずは就労移行ではなく生活面のサポートをしてくれる行政機関にお繋ぎします。
 
また、体調などが安定していないけどサポートしてくれる支援機関がないという方の場合には医療機関とお繋ぎします。
治療や体調安定の経過を辿って、長期的にLITALICOワークスを利用する計画を立てます。
 
まず生活基盤とか、財源、体調もですけど、そのあたりを整えるためにはいろんな支援機関を知っているということは、私たちにとって大切なことです。
 

ーーいろんな機関とのチームプレーが支援の現場では大事なんですね。
 
 

 
 
 
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この記事は2018年6月に掲載されたものです。

 

   

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掲載日: 2021.05.18

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