大人が学ぶべきこどもの姿勢
 
堀之内：こどもたちから色々学びますよ。小学3年生くらいまで、物事を客観視できず、いつでも主観的な感じとか。例えば、「今ジュースが飲みたい！」って思うと、ジュースを飲むことしか頭になくて、それ以外のことが耳に入らないじゃないですか。3、4歳の子とかだったらスーパーとかで「お菓子ほしいー！」って泣き出すみたいな（笑）。あそこまで自分の気持ちに素直に表現できるって、今の僕ら大人にとってすごく見習うべきことなのだと思います。もちろん、「人様に迷惑をかけない」っていうのは何番目かには大事だと思いますけど、それは一番じゃないですよ。それを一番だと教えられてきているから、みんな何もできなくなるんだと思います。だって何かを始めようと思ったら絶対誰かに迷惑かけますよ。
 

 
堀之内：こどもの夢中力ってすごいじゃないですか。夢中で何かに取り組む力って。僕は、あれを本当に凄い力と思って、見習っています。自分自身に置き換えてみても、夢中に何かに取り組んでいる時の時間の経つ早さと自分の吸収量や、物事の達成度合いって、ものすごいじゃないですか。
そういう夢中にできる環境を与えてあげると、こどもたちは、きっと勝手に自分の感覚で何かを選んで、夢中に取り組むと思います。そういう時間を重ねていく中で、何かを好きになっていったり、将来の夢とかを見つけるのだと思います。
「将来、何やっていいのかわからない」とか「夢がない」とか、言う子が多いじゃないですか。それっていろんなところで、「好き」とか「好奇心」とかを周りに潰されてしまっているから、自分が何をしたいのかわからなくなるんだと思うんです。「これが好き！」ってなったら、周りは、その気持ちを否定するのではなく、その「好き」の気持ちに寄り添って、必要に応じてフォローをしてあげるだけ。もうそれだけで、その子は勝手に成長するし、勝手に育っていくと思います。
でも、大人から見て「あれもダメ」「これもダメ」「あなたにはそれはできない」と否定され続けたら、自分が何を好きだったのかもわからなくなって、いろんなことに無関心になっていくんじゃないですかね。それこそ究極的には、引きこもりとか自死とかに繋がるのかなって僕は思っています。
 
――そういった考え方も、東京で好きでもない仕事をしていたりして、今までの堀之内さんの人生の歩みの中で見えてきた答えなのですか？
 
堀之内：そうですね。だから4年くらい企業に在籍して働いたのも、全然その時に戻りたいとは思はないですけど（笑）。
ある意味、良い経験だったのかなって思いますね。よく驚かれますが、僕、その頃に一度人生を諦めていますから。「今世は、こんなもんでいいや。来世楽しもう」と思っていたんです（笑）。
 
「会社に行きたくない」とか「本当はこういうことがしたい」とかいう自分の心の声を無視していたら、サラリーマンはできると思います。僕も無視していたから、しばらくは、できていました。でも、ある時から僕はその声を無視仕切れなくなりまして、だから今があるのだと思います。
 
僕は、僕自身が僕自身を全うすることで、僕の周りにいる人たちも幸せだったり、楽しい人生になったりしてくれたらいいなって思っていますし、僕自身もその周りの人たちから良い影響をもらって生きていますから、お互い高め合う、幸せ合う、楽しみ合う、そういう人たちとこれからも一緒に人生を歩んでいきたいですね。
 
「好き」を見つける場所
 
堀之内：教育とか子育ての世界って、尽きないじゃないですか。終わりがないと言うか。相当果てしないと言うか。なんかそれにも良さを感じていますね。
自分が好きなことって、「学びたい」「知りたい」って欲求があるから、そういう意味でも終わりがないし、だから、いくらでも探求できますよね。
こどもたちにとっても、このキャンプやこれから創るフリースクールが、自己や自分の道を探求できる場所であってほしいなと思っています。
 
 
 

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