僧シャル見聞録 JIPPO野宿者支援<後編>

JIPPO野宿者支援
 
四方八方、十方丸く
 
仏教の教えにのっとり「平和構築」、「貧困問題」と「環境問題」の解決、「災害支援・復興」の目的完遂、これらに向けて各種事業活動を展開しているNPO法人JIPPO。前編に引き続き、そのJIPPOの活動の一つである、野宿者支援について専務理事の中村尚司さんへのインタビュー後編です。
 
<インタビューを最初から読む>
僧シャル見聞録 JIPPO野宿者支援<前編>
 
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インタビュー(以下「イ」):野宿者の方は空き缶を拾っているイメージがあるんですが…。
 
中村専務理事(以下「中」):空き缶回収を生業にされている方は多いです。
 
イ:どのくらいの報酬なんですか?
 
中:空き缶回収は、1キロで約150円。大きなゴミ袋一杯で2キロほど。ある野宿者の方は、夜から走りまわって、次の朝までの、約12時間走りまわるそう。報酬は1日、1000円程度。
 
イ:12時間走り回って、1000円か…つらいですね。
 
中:しかも、今は住民に厳しく注意されることが多いため、物音を立てないように、缶を集めるそうです。また、主婦が小遣い稼ぎでアルミ缶を集めて回ったり、業者が入ったりするようになって、大変だと仰ってました。
 
イ:主婦?業者?ライバルも多いですね…。中村先生が野宿者支援を行なおうと思ったきっかけは何かあったんですか?
 
中:野宿者支援を始めたきっかけは、40年ほど前、東京から京都に戻ってきた時期、龍谷大学の深草キャンパス付近には、風呂もない、トイレもないような、スラム街がありました。龍谷大学に勤めるようになり、毎日そこら中を歩き回り、スラムに暮らす人たちの光景を目に焼きつけた。そのときから、将来、野宿者の支援活動を行いたいという思いがありました。
 
イ:中村先生のそのように思いにつき動かされる形で、JIPPOでの支援活動が始まったわけですね。JIPPOでは、具体的にどのような支援を行っているんですか?
 
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中:JIPPOの基本姿勢は、よろず相談。野宿者から身の上話を聞き、協力できることがあれば支援します。
 
イ:具体的に物資を届けたりするんですか?
 
中:訪問する際は、お米やバナナ、飲み物などの飲食類。肌着や下着などの衣類。夏は蚊取り線香、冬はホッカイロなど物質的な支援も定期的に行ないます。継続的な活動をすることで、人間関係がきっちり構築されていきます。
 
イ:支援をする上で、信頼関係は重要な気がします。
 
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中:私は、野宿者の方々を信用しています。それが伝わって、初めて、野宿者の方も、私を信用してくれる気がします。
 
イ:今後の展望などはありますか?
 
中:実は、来年度以降、JIPPOとして、この支援を続けていくか迷っています。現在では4名しかいない野宿者に対する支援は、事業として成立するのか危惧されます。個人的にはずっと関わっていきたいとは思っています。
 
中村尚司(なかむらひさし)
1938年生まれ、京都市出身。京都大学卒。アジア経済研究所の研究員を経て、龍谷大経済学部教授。現在は同大学名誉教授、NPO法人JIPPO専務理事。
 
   

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掲載日: 2016.08.10