【老後の悩み】認知症の夫の記憶力を取り戻すことはできないのか。
人生に「老苦」はつきもの。老いと上手に向き合い、前向きに暮らしていきたいものです。今回は、老後のさまざまな悩み相談を受け付ける「京都府高齢者情報相談センター※」の相談事例をご紹介します。
相談内容
70歳の女性の方からの相談です。
主人(78歳)は医者から「認知症ですね。海馬が委縮しています。」と言われた。息子はいるけれども別居しており、介護には非協力的。記憶力が徐々に低下してきているようで、散歩も兼ねて一人で買い物に行ってもらっているが、買う物をメモに書いて渡しても間違った物を買ってくることが増えたり、とっくに夕食は終わっているのに「ご飯はまだか?」と言ってきたり、びっくりすることが多くなってきた。元通りの主人に戻って欲しいし、記憶力を元に戻せるような薬や治療は無いのか。
回答
ご主人は、認知症になる直前まで仕事をされており、やっと夫婦二人でゆっくりと旅行ができると喜んでいたところだったそうなので、相談者さんの落胆したお気持ちはよくわかりますし、記憶力が元に戻って欲しいと願う気持ちもわかります。相談者さんの頭の中から、この思いが消えないので、ご主人に対して「もっとしっかりしてよ!」「どうして忘れてしまうの!」ときつい口調で言ってしまうこともあるようです。でも、現代の医学では認知症を治す薬はありませんから、時間はかかるとは思いますが「ご主人は認知症という病気であり、治ることはない」と受け入れましょう。そして、もう少しゆったりした気持ちで、介護ができるといいですね。ストレスが溜まってきて、話を聞いて欲しくなった時には、いつでも電話をかけてきてください。
2015年5月号掲載
※相談内容及び回答に基づいて行動に移される際には、最新の情報をお確かめください。
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