シングルマザーの悩みから生まれた地域の子ども食堂|八幡真衣さんインタビュー<前編>
テンプル食堂が立ち上がるまで
(画像提供:八幡さん)
――立ち上げを決意されて、はじめにどういったことをされましたか?
八幡:まずは日にちを決めました。開催までに何をやっていくかを逆算するような段取りですね。日にちを決めた後、石川県内で行われている子ども食堂を見学しに行き、何が必要かを見たり、聞いたりしました。
――子ども食堂をする上で、どういったことが必要なのでしょうか?
八幡:調理道具や食材が必要なのはもちろんのこと、何より大切なのは「行事保険」というものに加入しておくことだと学びました。行事保険とは、福祉活動やボランティア活動を実施中、参加者が怪我をしたときに補償される任意保険のことです。
子ども食堂の場合は怪我や食中毒が発生するリスクがありますよね。そうしたときに補償されます。
もちろん、それは万が一のことで、そうならないためにも調理用の手袋はこまめに交換する、当日に調理したものだけを提供するといった食中毒対策を施すのは言うまでもありません。
そうしたノウハウを現地見学で教えていただきましたが、同時にやってみないと分からないことが多いことにも気づきましたね。やっぱり、込み入った事情は尋ねてもなかなか教えていただけなかったです。
――その後はどういったことをされたのでしょうか?
八幡:早速、保険に加入して、その後は寄付や支援をしていただける方を探し回りました。本光寺の近隣にある和菓子店、青果店、飲食店、果ては仏壇店に至るまで、ノーアポイントメントで支援を求めました。
――ノーアポイントメントで飛び込まれたのですね。
八幡:そうなんです(笑)。でも、みんな優しかったですよ。当初はイベントの概要すら上手く説明できませんでしたが、それでも話を聞いてくれてありがたかったですね。
その後、準備が整って開催が現実味を帯びてきたので、小松市のこども家庭課さんやシングルマザーの方々に声をかけ、SNSや新聞等でも告知を行いました。