伝え、教え、笑わせる僧侶に聞いたお坊さんの「これから」|永田弘彰さんインタビュー<後編>
僧侶がどんな人間か知ってもらう
――これからの僧侶(布教使)の課題は何だと思われますか?
永田:お寺が奉仕してもらう時代は終わりました。僧侶自身が地域に奉仕して地域と繋がることによって、持ちつ持たれつの関係になって初めて、お寺が困ったときに助けていただけるのではないかと思います。
私は地域の役や PTA 役員を断りません。むしろ地域に溶け込むチャンスをもらったと捉えています。すべて断らずにいると正直大変ですが(笑)。まず自分という人間を見てもらう。全てはそこからだと思っています。そうしてもしも自分が魅力的だと思ってもらえたら、自分が興味を持っているものや取り組んでいることにも皆さん関心を向けてくださると思います。例えばポスターだけ見ても何とも思わなかった映画も信頼している人が「この映画面白いよ」と言えば行きたくなりますよね。
そういった信頼関係を地域と築いていくのが大切なのではないでしょうか。僕が「お寺って良いものですよ」と言ったときに興味を持ってもらえるよう常に意識して生きていきたいですね。
――今後のご展望を教えてください。
永田:2024年5月12日(日)に北海道教区親鸞聖人誕生 850 年立教開宗 800 年慶讃法要の記念行事に『漫才法話グランプリ』を企画しています。前回 2019 年に札幌で行ったものの第二弾です。今回は浄土宗、真言宗のお笑いコンビも加え超宗派でお届けいたします。『切り口を変えればまだまだお寺に人は集う』を体現する記念行事になればと思い、現在準備を進めております。あとは近いうちに、ピン(一人)で漫談説法もやっていきたいですね。その一歩として R-1 グランプリにもエントリーを検討しています!
――ありがとうございました。
プロフィール
永田弘彰(ながた・ひろあき)
:釋 弘彰(こうしょう)
十勝組清水町 大正山真浄寺住職
本願寺派布教使
帯広大谷高校 宗教科非常勤講師
本願寺派学階 輔教
サウナスパ健康アドバイザー資格所持