諸行無常は人生の厳然とした事実【釈尊のことば】
諸行無常は人生の厳然とした事実【釈尊のことば】
(写真:写真AC)
(本願寺新報 2016年(平成28年)3月10日(木)号より)
この偈(げ)は有名な『平家物語』の冒頭、「祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)の鐘(かね)の声(こえ)、諸行無常(しょぎょうむじょう)の響(ひびき)あり」と同じ内容で始まります。無常とは、「この世のすべてのことがらは一瞬もとどまることなく変化していく」ということです。
いろは歌も、漢字まじりで書くと「色は匂へど、散りぬるを、我が世、誰そ常ならむ」と始まりますが、その意味は「花は芳(かぐわ)しく香っているけれど、すぐに散っていってしまうように、私の住むこの世で、いったい何か変化しないことがあろうか」ということで、やはり諸行無常をうたっています。
現代科学では137億年ほど前に宇宙が誕生したと考えていますが、それを借りていえば、ビッグバンで宇宙が誕生して以来、万物は一瞬も止まらず形を変えながら生々流転(しょうじょうるてん)し、この瞬間にも変化しつつあるのです。まさに、世界と人生は、諸行無常です。
さて、諸行無常と対になって、世界と私たちの真実のあり方を示すのが「縁起」です。縁起とは、基本的には「この世のすべてのことがらは、互いに関わり合って存在する」ということ。「諸行無常」と「縁起」の考え方をすると、世界と人生、宇宙内のすべては、時間的な側面から見ると一瞬も止まることなく変化しつつ、しかも空間的には一瞬一瞬互いに関わり合って存在している、ということになります。
日本の文化、私たちの意識の中で、諸行無常は「儚(はかな)さ」「虚(むな)しさ」といった感覚的な受け止め方をされますが、本来はそういった感覚的なことではなく、世界と人生の厳然とした事実を示す句だったのです。
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