年を重ねていくことの美しさ【釈尊のことば】


前の記事
2022年12月30日
記事作成:他力本願ネット

次の記事

年を重ねていくことの美しさ【釈尊のことば】

(写真:写真AC)

 

釈尊の言葉⑥ーー本願寺派総合研究所所長 丘山 願海
(『本願寺新報』 2015年(平成27年)5月20日(水)号より)

 

頭髪が白くなることで長老になるのではない。 ただ年をとっただけならば〈むなしく年老いた人〉と言われる。 (ダンマ・パダ 260 偈)

 
この長老とは特に仏教的な意味でなく、尊敬に値する人、素敵な老人といった広い意味でしょう。
仏教で老いることは、人生が苦に充ち満ちていることを象徴する四苦のひとつに数えられていましたが、この句はどう理解したらよいのでしょう?
世間では、年配者だけではなく、若い人でも、「年はとりたくない」と願うようです。なぜでしょう?身体が衰え、いうことをきかなくなるから?若い人たちは容姿がかわっていくのが嫌なのでしょうか?
仏教には「諸行無常」という基本的な考えがあります。すべての物事は、宇宙開闢(かいびゃく)以前の遙かな過去から、一瞬も留まることなく、生成、変化、消滅をし続けてきているという事実です。そして「すべての物事」というのは、対象世界のことだけでなく、この私たちもまた含まれているのです。世界も私も、すべては変化していき、しかも自分の願いや思いどおりには変化していかない!ですから、釈尊は、諸行無常という厳然たる事実を見抜き、しかもそこに執着しないようにと教えたのです。
確かに、この句にはそういう意味もあるのでしょうが、この句にはさらに豊かな響きがありますね。 私も世界も、すべての物事は関わり合って存在しています。その中で、私たちは日々に世界と出会い、人々と出遇(あ)い、生きているといえるでしょう。喜びだけでなく、悲しみも、この世界の事実ではないでしょうか。そういう経験を日々に重ねていくことが年をとる、年を重ねていく、ということの美しさなのではないでしょうか?
 

*ーーーーーーーーー*

 
『本願寺新報』の情報はこちら
 
◆本願寺新報 概要説明
毎月3回(1日・10日・20日)発行
但し、1月1日号は「新年特集号」、8月1日号は「お盆特集号」として発行。
また、7月10日号・12月10日号は休刊。
 
発刊以来120余年の歴史を持つ「本願寺新報」は門信徒の方々の新聞です。
宗門の動き、社会問題、やさしい法話、童話のページなど新しい情報が紙面いっぱい。
1面と最終面はカラー写真を豊富に使ったカラフルな紙面づくりを行っています。
一家に一紙、ご購読をお勧めします。
 
※同じ号を一括して多部数お申し込みいただいた場合には、部数割引。
※ご購読継続の案内は終了月の45日前。
 
※写真はイメージです

     

Author

 

他力本願ネット

人生100年時代の仏教ウェブメディア

「他力本願ネット」は浄土真宗本願寺派(西本願寺)が運営するウェブメティアです。 私たちの生活の悩みや関心と仏教の知恵の接点となり、豊かな生き方のヒントが見つかる場所を目指しています。

≫もっと詳しく

≫トップページへ

≫公式Facebook

掲載日: 2022.12.30