お墓は暗くて怖いもの?樹木葬のパイオニアが語る理想の霊園│株式会社ココ・プランニング 中本隆久会長インタビュー<前編>
中本隆久会長(写真提供:ココ・プランニング)
墓地は暗くてじめじめしているもの。夜の霊園を歩くのは勇気が要る。そう思う方は少なくありません。一方、近年は樹木葬をはじめとする明るいイメージの霊園が増えつつあります。この度はガーデニング霊園の元祖、樹木葬のパイオニアである株式会社ココ・プランニング中本 隆久(なかもと・たかひさ)会長に、理想の霊園やお墓の価値についてお話をうかがいました。
スイスのお墓からインスピレーション。樹木葬が誕生した瞬間
――まず、ココ・プランニングの事業を始めたきっかけを教えていただけますか。
中本隆久さん(以下 中本):元々、私の父が三重県(伊勢)の出身で「いせや」という名の石材店を東京多摩霊園前に出店・経営していました。私が大学生のときに父が亡くなったため継承することになりました。いまは私の甥に「いせや」を継承して、ココ・プランニングという別会社を息子と経営しています。主に寺院境内の墓地や売れなくなった霊園をリニューアルすることで、寺院や霊園の活性化をしています。
海外からも依頼があり、中国では4箇所ほど霊園のリニューアルをお手伝いしました。私(中本)はガーデニング霊園の元祖と言われていますが、その着想は私が38歳のときに生まれました。同業石材店に誘われてヨーロッパの墓地を見学に行ったのです。イタリアの墓地で、墓石としての彫刻を見たとき、こんなに凝った造形の墓石は真似できないとショックを受けました。一方、スイスのお墓は別の意味で衝撃でした。まるで公園のように、緑の中にちょこんと石が置いてあるシンプルで美しいお墓で、これなら自分にもできるはずだと思いました。
イタリア・フィレンツェの彫刻(写真提供:ココ・プランニング)
スイスの霊園(写真提供:ココ・プランニング)
そして、1995年、千葉県に「佐倉ふれあいパーク」をつくりました。いまで言う樹木葬の走りだったと思いますが、その当時は、石材業界では笑い者でした。いまとなっては樹木葬がもてはやされるようになり、ようやく時代が追いついたと実感しています。