お寺のコンサルタントが気付いた お寺の課題と可能性│株式会社寺院デザイン代表取締役 薄井秀夫さんインタビュー<前編>

 

お寺がこれからできること?

 
人のつながり

(画像:イラストAC)

 
――お寺の今後の運営について、地方寺院の現状は厳しいものがあります。アドバイス等ございますか?
 
薄井:正直なところ、あまり明るい話はできません。地域コミュニティがあってこそのお寺ですので、地域そのものが弱ってくると厳しいです。人が減っている以上は、基本的に縮小・整理しかないのではないかと思います。無理に残すのは難しいでしょう。
 
自分の代で終わらせたくない、という気持ちはわかりますが、先延ばしするほど住職や檀家さんの負担も大きくなります。あくまでも、護持を前提とするのであれば、檀家さんから心配してもらえるような情報提供が大事です。お寺の経理を公開し、厳しい現状を共有すれば、困窮したお寺ほど檀家さんが心配してくれる面もあります。護寺会費の意味など、一つひとつ説明が必要でしょうね。
 
――反対にお寺がやってはいけないことや失敗パターンはありますか?
 
薄井:お墓への過剰投資はリスクが高いと思います。業者中心で進める事業は、お寺にとって必ずしもプラスではないので注意が必要です。たとえばビル型・搬送型の納骨堂等が増えていますが、仮に作って売れたとしても50年後は読めないものです。目先のことで判断してはダメだと思います。次世代を困らせないためにも、長いスパンで考えなくてはいけません。
 

インタビューは後編へ続きます。
簡素化する葬儀 ゆるぎない仏教の価値│株式会社寺院デザイン代表取締役 薄井秀夫さんインタビュー<後編>
   

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掲載日: 2022.03.14

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