宇宙葬も定番に?これからの時代のお墓と宗教|大竹将人さん(株式会社MMC代表取締役社長)インタビュー<後編>
宗教は、生きていく上での道標
――これからの時代、宗教の役割はなんでしょうか?
大竹:宗派への帰属性は薄くなってきています。宗派に関わりなく、良い宗教者に会えるかどうかではないでしょうか。ご住職の思いが伝わって、ファンを増やしているお寺さんはこれからも残っていくと思います。私自身、ご住職からいただいた言葉が自分の境遇とピッタリときて救われたと感じたことがあります。
事業をする中で、自分はなんでこんな境遇なんだろう、と悩んでいたときに、説法が私の心に響き、納得したのです。宗教が人々の救いになり、前に進む力になったり癒しになることはあると思います。
お寺さんならではの価値は、安心をもたらすということと、生きていく上での道標になるということではないでしょうか。迷っている方だけではなく、たとえば経営者など、導いていく立場の方にとっても仏教から学ぶことは多いはずです。
和歌山市内で開発中の樹木葬霊園CG(写真提供:株式会社MMC)
――今後の展望をお聞かせください。
大竹:いま和歌山市内初の樹木葬霊園、さらに同時進行で愛知県内のお寺の境内に樹木葬の霊園を開発中です。アクセスが良いというわけではないのですが、ご住職がすばらしい方で開園が楽しみです。おかげさまで霊園の開発や再生について、全国からお問合せをいただいております。弊社でお手伝いをしてお役に立てればと思います。
樹木葬の企画の提案のみならず、門徒(檀家)の皆さまや地域の皆さまへのお寺の告知のお手伝いもさせていただいています。弊社は、お寺さんの裏方だと認識しています。お寺さんが存続して残っていかないと、我々の事業も続けていけません。お寺さんには将来の財源を確保していただき、ファンを増やしていただき、そのことによって我々の事業も成り立ちます。たとえ良い場所やプランがあっても、実現するためにはご住職との信頼関係が欠かせませんので、着実に積み上げていきたいと思います。
将来的には、お墓の事業を財源として、ご住職と相談しながらお寺を中心とした地域おこしに発展させていければと思います。お寺さんが主体となったアートや音楽イベント、子どもさん向けの寺子屋など、無理をせずにできることからやっていきたいです。作家さんやアーティストの方で、まだ有名ではないが展示や発表の場を求めておられる方がいらっしゃいますし、お寺と彼らとの接点になれればと思います。
お寺で催しをしたいと考えておられる方は意外と多いのですが、どこに相談してよいかわからないという方がほとんどなので、その橋渡しができたら嬉しいですね。地域の方とお寺さんとの良い出会いの場を生み出し、お寺が地域とともに活性化するお手伝いができれば思います。
――本日はありがとうございました。
プロフィール
愛知県岡崎市出身
愛知学院大学 法学部卒業
H4 広告代理店 設立
H21 株式会社エムエムシー 設立 現在に至る