今から始める。エンディングノートの書き方|お寺で知る終活講座第5回レポート
A.介護の時に、お互いどうして欲しいかという意思疎通を図っておくことが大事ですね。困るのは、どちらかが認知症になったときです。突然どこかに出ていってしまってそのまま帰って来られなくなったり、火災を起こしてしまう心配があります。最近はコンロの性能が良くなり火災は起きづらくなってきましたが、私の父親は間違えて電気ケトルをコンロにかけてしまったことがありました。
母がそれに気付いて大事にはなりませんでしたが、認知症になると思いがけない行動を取ってしまう可能性があります。介護する側がヘトヘトに疲れてしまうと、施設に入ってもらったほうがいいのか、本人はどう思っているのか、など考えることが一気に増えます。今私の母も悩んでいる最中なんですよ。なので、親世代が認知症になって介護する側がしんどくなってきた時に、施設に入るのかどうかということは先に確認をなさっておいた方が良いと思います。
あとは相続のことも重要ですね。お子さんたちにどう配分したら良いのか。お互いの思いを確認しておいた方が良いと思います。エンディングノートを書く時には、情報を密にしないといけません。親子でお互いの気持ちを知らない状態で書くのではなくて、共有したものを書き残しておいたほうが良いと思っています。
気持ちや認識がずれたまま書いていると、お父さんが書いていることと、お母さんが書いていることが違うという事態にもなりかねません。やっぱり話し合って情報共有しながら書くのが良いと思います。
あと一点。お母さんと娘さんの二人暮らしの方がいて、お母さんは「私はエンディングノートを書かない」と言っておられました。理由を聞くと、「娘と私は、人間関係がしっかりしているから、交友関係のこともよく知っているし、何を考えているのかも全部分かる。いつも二人でいるから介護のことなどエンディングノートに書くような情報は二人で共有している。だから書かなくて良いでしょう」と言われました。そこまできちんと共有しているのであれば、書かなくても良いというふうに伝えました。
皆さんも残されるご家族とエンディングノートに書くような内容が全て共有できているのであれば多分必要がないと思いますが、なかなか時間が取れなかったりして難しいと思います。ですので、まずはご自分の頭を整理するという意味でノートの設問について考えてみて、一度書いていただきたいと思います。そして、書いたことを残していくご家族に全て伝えることができるのであれば、ノートを残す必要はないのかもしれないですね。
A.私もついこの間、有料老人ホームを見せていただきました。部屋にあるものはベッド、小さなテーブルと椅子、そしてローボードの上にテレビ、というぐらいです。食事に関するものは用意があるところが多いです。それに衣類を持っていかないといけないですよね。
お風呂関連のもの、たとえばタオルとかはお風呂に付いていますので要らないですが、身だしなみを整えるようなものは要ります。それ以外には、自分の部屋で楽しく過ごすためのご趣味のものを持っていかれると良いと思います。
6畳一間で24時間過ごすことになりますので、施設によっては絵を描いたり、体操をしたり、リハビリをしたりと、プログラムがあるところもありますが、そういうプログラムがない施設もあります。その分費用は安くなりますが、何も娯楽がない施設に入られるのであれば、自分で楽しめるものを持っていかなければいけません。