意外と簡単?リモート法事のあれこれを尋ねてみた。|リモート法事―広島県崇興寺
配信機材の様子(画像提供:枝廣さん)
新型コロナウイルス感染症によって、オンラインを活用したリモートでのイベントやサービスが普及するようになりました。一部の寺院でも、法事や法座のリモート配信が始まったのは記憶に新しいところです。しかし、実際のところリモート法事はどのように運用されているのでしょうか?
今回はそんなリモート法事をいち早く導入し、現在も運用されている広島県崇興寺(そうこうじ)の住職 枝廣慶樹(えだひろ・きょうじゅ)さんにお聞きしました。
直接会えない状況下で見出した、オンラインという方法。
――やはり、きっかけは新型コロナウイルス感染症ですか?
枝廣 慶樹さん(以下:枝廣):はい。新型コロナウイルス感染症による影響で、対面でのお参りを出来なくなったのがきっかけです。1度目の緊急事態宣言が発令され、対面でのあらゆる行事が中止を余儀なくされましたが、法事もその例外ではありませんでした。なんとかできないかと模索する中で、オンラインツールを活用した「リモート法事」を導入しようとなったんです。
――リモート法事を行うには、どういった準備が必要なのでしょうか?
枝廣:当然ではありますが、ハード面ではスマートフォン、より本格的に行う場合はパソコンやカメラといった機器が必要になります。また、本堂で配信する場合はwi-fiの環境は必須といえるでしょう。そしてソフト面ではZoomやYouTube、LINEといったサービスを活用すると良いですね。
崇興寺の場合では、双方向で会話が出来る方が良いだろうということで、Zoomを活用することにしました。配信に必要なパソコンやカメラはすでに揃っていたので、最初にかかった経費はZoom契約費用、年間約2万円程度でした。
現在は、リモート法事は2つプランを用意していて、1つはZoomを使った法事、もう一つはYouTubeを使った法事です。双方向で会話ができるか、一方的に配信をするかどうかの違いがあります。
――ZoomとYouTube、どちらのほうが人気なのでしょうか?
枝廣:正直なところ、両方とも大したニーズはありません。しかし、少ない事例ながらも実施して気付いたのが、LINEのビデオ通話機能が一番使い勝手がよいということでした。LINEであれば、Zoomと同じくビデオ通話の機能もある上、ほとんどの人が使っているので家族間や親族間で活用されやすいんですよね。高齢者世代の方々も孫の顔を見るためにLINEを使うこともあるようですし。
また、運用方法として落ち着いたのは、法事の代表の方が本堂に参拝されて、その方のLINEで配信するパターンです。よって、リモート法事で一番必要なのは本堂のwi-fi環境でした。逆に言うと、他の機器は不要と言えますね。