老舗サイトと振り返る仏教ウェブメディア20年史|「彼岸寺」代表 日下賢裕さんインタビュー<前編>

 

注目の的はお寺のイベントから、お坊さんの人物像へ。

 

メリシャカのメンバーたち(画像提供:日下さん)

 
――その後はどういった変遷を辿られたのでしょうか?
 
日下:その後、情報発信を続けるうちにお寺でのイベントが増えてきたので、2005年頃からお寺の情報も取り扱うようになりました。
 
彼岸寺が始まった頃は、今のようなマルシェやフェスといったお寺のイベントはほとんど無かったと思います。あったとしても認知されていなかった。ですので、開設当初はお寺の情報を発信することはそれほど考えていませんでした。
 
しかし、東京都光明寺さんで開催されていた「誰そ彼」や富山県善巧寺さんの「お寺座LIVE」などを皮切りに、各地のお寺でさまざまな形でイベントが行われるということが散見されるようになりました。
 
善巧寺の雪山さんとは、ネット、それこそミクシィを通じて知り合ったのですが、同じように繋がった仲間たちと、2006年にはお釈迦様の誕生日である花まつりを盛り上げたい、という「メリシャカ」という活動にも関わり、そこから「メリシャカLIVE」というイベントが行われるようにもなりました。他にも新潟の極楽寺さんでの「極楽パンチ」などもその一つです。
 
それまでもお寺でコンサート等の催しはあったと思いますが、若者をターゲットにしたイベントが始まったのはこの頃からだろうなと思います。
 

メリシャカLIVEでDJを務めた僧侶ユニット・Tariki Echo(画像提供:日下さん)

 
――2010年以降はどういったご活動をされたのでしょうか?
 
日下:2010年代に差し掛かると、フェス文化のようなものが当たり前の存在になり、イベントそのものの目新しさが少しずつ失われつつありました。一方、2000年代後半からはお寺のイベントだけでなく、いろんな個性を持った僧侶が注目を浴びるようになっていったと思います。例えば、他力本願ネットでもインタビューをされている、消しゴムはんこの麻田さん、テクノ法要の朝倉さんはその代表的な存在ではないでしょうか。
 
料理やイラスト、音楽といった特技を活かして活動する僧侶が出てこられ、その動きに対応する形で、彼岸寺でもそうした僧侶の方々を紹介する動きにシフトしました。
 
そんな中で、2009年に立ち上げたのが「坊主めくり」というコーナーです。このコーナーでは、ライターの杉本恭子さんにもご協力いただき、宗派を問わず様々な僧侶の紹介を行いました。
 
なので、2010年頃より僧侶の人物像にも関心が集まるようになったと思います。他力本願ネットさんでも2012年から僧侶のインタビューコンテンツを立ち上げられましたよね。
 

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掲載日: 2023.03.30

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