震災の教訓が生んだシェアハウスから学ぶ、あるべきコミュニティの姿とは?|はっぴーの家ろっけん、首藤義敬さんインタビュー<後編>

遠くのシンセキより近くのタニン?

 

写真提供:はっぴーの家ろっけん

 
ーーこれまで、「はっぴーの家ろっけん」のお話を伺っていて、かつての大家族の姿を思い出しました。
 
首藤義敬さん(以下:首藤):そうですね。実際、大家族って良いよねって言われることがあるのですが、僕はかなり違和感を覚えていて。確かに、大家族の方が子育ても介護もしやすいと思います。でも、ここ数十年で日本が進めてきたことは核家族化なんです。そんな中で、今さら大家族へと戻すのも無理なんですよね。
じゃあどうしようかと考えたときに、「遠くのシンセキより近くのタニン」というコンセプトが生まれたんです。
 
ーーたしかに、今の日本で大家族を形成することは難しいのかもしれませんね。ところで、「遠くのシンセキより近くのタニン」とはどういうことでしょうか?
 
首藤:決して、本来の家族を否定しているわけではありませんが、近くに頼れる他人が居れば心強いですよね。
そもそも、「はっぴーの家ろっけん」で実行したのは、「家族の在り方」をリノベーションすることでした。もちろん、家族自体が悪いとは思いませんが、一方で家族が一番信頼できるコミュニティだということも幻想だと思っています。例えば家族でも180度考え方が違う人だって居るじゃないですか。なので、信頼できる家族にとらわれ過ぎずに、「暮らしのコミュニティ」をちゃんと豊かにしていくことが大事なのではないかと思っています。
 

震災、そして復興の過程で見たもの

   

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掲載日: 2021.10.01

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