「家の跡取りとして結婚しなければいけません」【みんなの人生僧談】
今回のテーマは「跡取りとしての結婚」。恋愛からの結婚が中心になりつつある世の中ですが、まだまだこういった形の結婚もある模様。ひとによっては「跡取り」という立場が重荷になってなかなか結婚できない、という方もいるのかもしれません。こうした結婚という問題を、僧侶ならばどう考えるのでしょう。
本日の人生僧談
お寺の副住職(30代)をしています。僧侶としての様々な活動を通して、今の自分に充実していますが、家の跡取りである為、結婚しないといけません。しかし、結婚相手もおらずフラフラして親にも迷惑をかけています。
出会いを求める為に、サークルにも入りネットワークを広げましたが、サークル活動だけが忙しくなっています…(最近流行の街コンにも参加しました)。
いっそのこと別の仕事(就職)を持つべきか?どうするべきか?何をするべきか?分かりません。何かいいヒントがあれば教えてください。
リア充僧侶(以下:リ):なるほど、結婚相手が見つからずに困っていると。
理詰め僧侶(以下:理):少し落ち着いてみましょう。出会いや結婚の為だけに就職しちゃうのはやり過ぎだと思うし、ちょっと焦って空回りしている気がする。
グローバル婚活僧侶(以下:グ):そうだね。まだ30代でしょ?もう少し余裕を持って行動してもいいんじゃないかな。
リ:もし結婚だけが目的だったらお見合いとかいろいろ方法もあるしね。
バ:そもそもお寺の跡取り(後継者)って結婚しないといけないの?「しないといけない」っていう理由だけの結婚って違う気がするんだけど。みんなはどうだった?
理:やっぱり結婚したら本当に色んなことがあるよ。漠然と結婚したいとか、相手にだけ何かを求めて結婚したいとかじゃ、結婚した後のほうがもっと大変になると思うよ。
リ:僕も寺院後継者だけど妻が好きだから結婚した。最近入籍したばかりだけど、その思いが一番大きかった。
バ:女性の立場からすると、「結婚しなければいけない」っていう使命感だけでこられたら付いていけないかも。だって「結婚」が一番大事ってことでしょ。それだけでグイグイこられたら引いちゃうと思う。
理:でも寺院の跡取り(後継者)って、どこか結婚をプレッシャーに感じている人が少なくないと思うな。確かに色んなことを周りの人から言われるし、親を安心させたいって気持ちもあるだろうし。
グ:それ分かります(汗)。僕も相談者と同じ年代で独身だから。けど周りの意見だけで動いたり、結婚ありきで考えたりして苦しくなった時期がある。今は本当に自分の気持ちが動く相手に出会えることが大切だと感じる。
理:一度自分を見つめ直す時間を持ってみるべきじゃないかな。自分は一体何を求めているのか、一番何をやりたいのかっていうことを考える良い機会として。
グ:たしかに、結婚相手に条件や理想を求めるよりも、自分を見つめ直した方が建設的かもね。
バ:何かに一生懸命打ち込んでたり、頑張って自分磨きをしている人って、とても魅力的に感じます。
リ:この相談者は恵まれた環境にいると思う。お寺の法務やサークル活動とかも含めて。ネットワークを広げる活動って環境的に誰もが出来ることじゃないから。
バ:目の前にやることが色々あるっていうのは、見方を変えればそれだけやり甲斐を見いだせる機会があるってことだもんね。
理:とりあえず目の前のことを、一つ一つ真剣に丁寧に取り組むことが大事。そうじゃないと無駄な時間を自分でつくって、過ごしてしまうことになってしまう。相手にもそのことを見透かされると思うよ。
グ:僕もとりあえず今は目の前のことを頑張って、出会いはもう“ご縁”次第だと腹をくくってる(笑)。こっちが力んでも出会えるわけじゃないから。
理:周りの誰かを納得させる道じゃなくて、自分が本当に納得して打ち込める道をまず見つけてほしい。結婚のことも仕事のこともそこからがきっとスタートになる。
まとめ
目の前の仕事や活動に心をこめて取り組むことが出来ているか。今の自分を見つめ直して、一体何の為に、何がしたいのかを考えてみることが先決。結婚も一緒。何事も「しなければいけない」ではなく、自分の納得できる道を見つけることが、これからのあなたの人生を開く出発点になるはず。
本日の僧侶プロフィール
理詰め僧侶
寺院の長男として生まれ、仏教について幅広く修学している。理性的に物事を考える性格の持ち主。愛娘を溺愛するほど、子煩悩な一面もある。
グローバル婚活僧侶
環境を中心に、グローバルな視点から現代の諸問題に取り組むと共に、自身の婚活にも余念なく取り組んでいる。
リア充僧侶
仕事もプライベートも嫌味なほど充実。しかしどんなに忙しくても、毎日の仏さまへのお勤めは欠かさず行う。
バイオ僧侶
周りの人が羨む美貌と生物学の知識を兼ねそなえた才色兼備。しかし人知れず仏教の研究をコツコツ進める努力家である。