生きている人と亡くなった人がともにすごせる場を|五藤広海さんインタビュー<後編>

 

生きている人と、亡くなった人がともにすごせる場所

 
――音楽イベントやアートイベント、別離の感情と向き合う「いのちの学校」など、多くの活動をお寺でなさっているのはなぜでしょうか。
 
五藤:僕は、お寺という場所を、生きている人が亡くなった人とすごせる場だとも思っています。亡くなった人のことを「無かったこと」にしないでいられる場所です。すごす方法はたくさんあると思います。宗教儀礼だけではなく、亡くなった人に向けて手紙を書いてみたり、その人との思い出の曲を持ち寄ってみんなで聞いてみたり。
 
地域において寺院はさまざまな役割を担えますし、多くの方がそのあり方を今も模索しています。それでも寺院や僧侶は、弔いや亡くした人との関係を中心とした問題は考えてゆかざるを得ないだろうな、と僕は考えています。
 

お寺で開催した「なき人が遺したものをのこす展」(画像提供:五藤さん)

 
――確かに、日常のなかで亡くなったかたの事を思える場所はほとんど無いように思います。
 
五藤:僕は、地域にお寺を開くうえで、弔いというテーマを外さないようにしてきました。お寺で音楽イベントをする際でも、亡くなった人へ思いを向けられるような曲目を選んだり、そうしたご法話の時間を入れたり。アートイベントでも、亡くなった人が遺された思い出の作品を持ち寄って、生きている人が亡くなった人を思いながら作った作品と一緒に展示する、というようなことをしたんです。面白かったですね。
 
――それは他にちょっと例を見ない、独特なイベントですね。
 
五藤:こうしたイベントは、地域のライブハウスや劇場では難しいと思います。だからこそお寺で、生きている人と亡くなった人がともにすごせるイベントがやりたい、とずっと考えてきましたし、これからもやっていきたいな、と。
 
 

五藤さんの僧侶として活動するうえで、うれしかったこと、楽しかったこと

   

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掲載日: 2022.03.24