話し方から生き方を変える?トークデザインのおもしろさとは│中島至さんインタビュー<後編>
(写真提供:中島さん)
前回に引き続き、福岡県玉栄寺の中島至(なかしま・いたる)(釋至心)さんにお話をうかがいます。今回は、中島さんがお寺で実施されている「トークデザイン」という取り組みについて教えていただきました。
「お前の代わりはいくらでもいる」と言われたIT企業時代。工夫で寄り添う糸島のお坊さんの話│中島至さんインタビュー<前編>
トークデザインとは?
――トークデザインとは、どのような取り組みなのでしょうか?
中島至さん(以下:中島):主に対人関係の悩みを聞く場です。会話をもっと弾ませたい、職場の人間関係をよくしたい、プレゼンやスピーチを成功させたい……そういった悩みに対し、仏教の教えをもとに、その人に応じた話し方や対応方法を提案させていただいています。
相談された方からは、職場が明るくなった、仕事にやりがいを感じるようになった、話し方を意識しただけでトラブルが少なくなった、といったお礼の言葉をいただくようになりましたね。
話し方が変わるとコミュニケーションが充実し、考え方が変わり、人生がより豊かに変わっていくのがトークデザインの特徴です。
――トークデザインを始められた経緯を教えてください。
中島:以前から対人関係の悩み相談に来られた際は、その方に向けて法話をするようにしていました。すると後日お礼の手紙をいただくこともあったんです。「ご法話のなかの〇〇という言葉に励まされました」「〇〇という言葉に安心しました」……と、法話の中の言葉に心を動かされた方から手紙をたくさんいただきました。
活動を続ける中で、2020年に新型コロナウイルスが流行し、ウイルスとともに不安も広がりました。そんな時期だったからこそ、〇〇に入るような言葉を使う人が増えれば、対人関係の悩みも減り、不安の和らぐあたたかい社会になっていくのではないかと思ったんです。
――どういったきっかけでご相談をいただくことが多いのでしょうか?
中島:ほとんどが口コミですね。また、私は市の講演会などでお話をさせていただくこともあり、それがきっかけで相談に来られることもあるようです。また、玉栄寺の公式ホームページをご覧になった方からご連絡をいただくこともありますね。お寺に来てくださるきっかけになるような種はいろいろと蒔いていますが、こちらから宣伝したことはありませんね。
(玉栄寺ホームページ)