お寺はいろんな人が集まるコミュニティハブ│舟川智也さんインタビュー<後編>
お寺に話を持ち込めば、何かが動き出す。
両徳寺 ゆくはしほおずき夜市、開場前のスタッフ集合写真
――お寺の行事等で工夫されていることはありますか?
舟川:毎月、婦人会や壮年会、隔月で若婦人会で1時間ほど法話をしています。同じ僧侶から一貫性のある仏教の話を聞き続けないと、本当にお念仏を喜ぶ人になるのはなかなか難しいと思うからです。
また、主体的に関わる意識をご門徒一人ひとりに持ってもらうことが大事です。除夜会などは、こちらから何も言わなくても、自分たちの楽しみとして準備してくださいます。「以前お蕎麦でもてなしてもらったのが嬉しかったから、今度は私たちでお蕎麦を準備して、お寺はいいところだよ、と伝えていきたいんだ」というように、積極的に関わっていただいています。
人は損得を超えて動ける場所を欲しています。みなさんの気持ちをもっと引き出す場を提供できればと思います。
コロナ前には、夏場に夜市など、一日を通してみんなが楽しんでくれるマーケットイベントを開き、一日1,000人くらい訪れてくださいました。対外的なイベントをすると、手伝ってくれる方が現れます。世の中のため、人のために何かをしたい、でも力の使いどころが分からない、という方がいらっしゃるのです。思い切って動いてみると、趣旨に賛同してくれる方々が自然と集まってきて輪が生まれます。
私の理想のイメージとしては、お寺はコミュニティハブでありたいと思ってるんです。あそこに話を持っていけば何かが動き出すというイメージづくりをしていきたいです。門徒しか行ってはいけない、という閉じられたイメージが根強いため、もっと風通しを良くしたいです。お寺を、もっといろんな人が集まる場所にしたいと思います。
ハイハイレース(ゆくはしほおずき夜市)
声明ライブ(ゆくはしほおずき夜市)
――今後の展望を教えてください。
舟川:やるからには何でも楽しく取り組みたいです。皆さんがお寺を自分事とし、楽しく過ごしてもらうために、いろんな工夫をしていきたいと思います。東京で法話会を開いたとき、次の機会は私も主催者として関わりたい、と言ってくださった参加者がいらっしゃいました。
仏教を通じてこういう輪が全国に広がっていくとありがたいですね。
――本日はありがとうございました。
プロフィール
舟川智也(両徳寺住職・本願寺派布教使)
26歳で布教使資格を取って以来、全国各地の寺院にて精力的に布教を行ってきた。
コロナ禍を迎えた2020年6月より、新たな布教の方法を模索し、YouTubeにて「みんなでおてらいふ/両徳寺」チャンネルを運営し始める。主に仏事作法や法話を配信する。2021年には「もう一度会いたいお坊さん」を決める宗派の枠組みを超えたイベント、H1法話グランプリ2021に浄土真宗を代表して出場。
2022年には東京・京都でセルフプロデュースの法話会を開催した。44歳。愛称「ふなふな」。
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https://fukyo-shi.com/funakawa-tomoya/