「大丈夫だよ」と言える他人を目指して。|八幡真衣さんインタビュー<後編>

 

お寺だからこそ伝えられる、食の有り難さ。

 

(画像提供:八幡さん)

 
――子ども食堂をお寺で行う意味って、どういったことが考えられますか?
 
八幡:食育という観点から、お寺で子ども食堂を実施する意味があると感じています。テンプル食堂では「いただきます」の意味を子どもたちに教えています。
浄土真宗の言葉で表現するなら「多くの命と皆さまのおかげによりこのご馳走を恵まれました」となりますが、いま目の前にある食事はあらゆる命が犠牲になっているだけでなく、それを調理する人、運搬する人の労力や時間も割かれているんですよね。
 
そうしたことを教える時、学校や公民館だと「少し重い」と感じる人も少なくないようです。給食で「いただきます」と言わないように指導している学校すらある、現代社会では仕方がないのかもしれません。ですが、これがお寺だとすんなり受け入れられるんですよね。
 
2022年10月には、食育をテーマに「ほんとにほんと」という絵本を作成しました。絵本を通して、様々な人によって料理は作られていること、そして、いろんな人があなたを支えているということを子どもたちにお伝えしています。
 
――ご活動を通して、どういった成果がありましたか?
 
八幡:先日、テンプル食堂を実施したときに「テンプル食堂にお世話になるようになってから、お米を買うことがなくなった」という声をいただきました。活動のきっかけでもあった「今日食べるお米がない」という課題は一応、解決の方向に向かっているのではないかと思います。
 
また、前回の報恩講は子ども食堂でも案内したので、子どもたちもお参りに来てくれました。門徒さんも「今回の報恩講は子どもがたくさん居て賑やか」と驚いていましたね。法要を通して、子どもたちの目線からお寺を知るきっかけになりますし、こんな空間もあるんだと子どもなりに気づいてくれたら嬉しいですね。
 

報恩講の様子(画像提供:八幡さん)

 

テンプル食堂が思い描く未来とは?

   

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掲載日: 2023.03.02

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