手のひらから広がるご仏縁|釈優希さん(中村有希さん)インタビュー<前編>
「南無阿弥陀仏」の書き損じでも欲しい!?御縁帳と法語カードの活動。
(画像提供:中村さん)
――ご縁帳とはどういうものでしょうか?
中村:御縁帳とは、私が2022年5月頃より企画・作成している、各寺院での参拝記念スタンプや法語等を記録できるポストカードぐらいのサイズの帳面です。また、御縁帳とともに法語カードも毎月製作し、ご希望の方にお送りしています。
――どういったきっかけがあり、ご活動を始められたのでしょうか?
中村:私が僧侶にならせていただく前の高校時代、寺社仏閣巡りが好きで、御朱印を集めていたことがきっかけです。以前より御朱印はお寺のご縁づくりになると感じていたのですが、浄土真宗には御朱印のしきたりがありませんよね。
なんとか浄土真宗でもできないかなと模索をしていたとき、大阪の津村別院さんや東京都の法重寺さんが「御縁帳」という形で実施されているのを見て、それらを参考にして製作しました。仏説阿弥陀経に説かれている、青光や黄光をあしらったデザインです。
――法語カードというものも製作されているのですね。
中村:参拝者の方が御縁帳をお寺へ持ってきていただき、そこに直接書き込むような形は私の時間的にも難しいので、予め法語カードを作成し、毎月ご希望の方へお送りするという形をとっています。また、カードと一緒に今月の法語の解説と法話をA4でまとめたプリントもお送りするようにしています。カードはシールになっており、サイズも一般的な御朱印帳に合わせているので、私が製作した「御縁帳」はもちろん、皆さまが大切にされている御朱印帳にも貼り付けていただくことができます。
――ご活動を通して、どういった成果がありましたか?
中村:おかげさまで「かわいい」と評判になり、これまでに約50人に「御縁帳」をお届けすることができました。また、毎月法語を書いたら同じようにSNSで発信していますが、御朱印が好きな方から多数お問い合わせをいただいています。
法語カードは筆ペンで書いていますが、私は習字が得意でないどころか、全くの未経験なので文字は下手です。なのに、これだけ関心を持っていただけてありがたいですね。
先日はあろうことに「南無阿弥陀仏」を書き間違えてしまいました。SNSのライブ配信でそのことを告白したら、なんと間違えたものでも欲しいという方がいらっしゃったんですよね。それだけ、私の人柄を見てくれているんだと感じます。
文字の美しさという、物質的な価値観を超えて、私の活動や仏さまの教えに興味を持っていただけるのがすごく嬉しいです。
――ありがとうございました。
インタビューは後編に続きます。
後編では、中村さんが注力されている、大阪西成区でお弁当配りのご活動に関することをお伺いしつつ、精力的に行動される中村さんの想いに迫ります。
新卒で僧侶になった釈優希さんが大切にしていることとは|釈優希さん(中村有希さん)インタビュー<後編>