お坊さんがwebムービーを作った話|広島青年僧侶 春秋会インタビュー<後編>

 
喪服を着た家族が法事に臨む様子が描かれているこちらのwebムービー。実はお坊さんが企画したものなんです。
 
広島青年僧侶春秋会は、第24回仏教文化講演会の企画の一環で、webムービーやホームページの制作に取り組まれたそう。これはいったい、どんな活動でしょうか?実行委員長の廣幡俊道(ひろはた・としみち)さんに、webムービーの制作秘話や、そこにかける想いをお尋ねしました。
 

 

廣幡俊道さん(画像提供:広島青年僧侶 春秋会)

 

「仏教のある人生!イマココ」とは?

 

(画像引用:広島青年僧侶 春秋会公式Facebook)

 
――ご活動の概要を教えて下さい。
 
廣幡 俊道さん(以下:廣幡):今回の仏教文化講演会では「仏教のある人生」をテーマに、主に30歳から40歳代の方々へ向けて、日頃の生活の中で、仏さまと出会っていただくことを目標に、webムービーの制作、ホームページの制作、そして講演会の3つを柱に活動しました。
 
webムービーとは、我々僧侶と映像制作会社がタッグを組んで制作した3分強の動画です。YouTubeにて無料でご覧いただけます。そして、webムービーを通して仏教に興味を持ってくださった方に向けて、ホームページを制作しました。
 
ホームページは、主にwebムービーで興味を持ってくださった方に対して、仏教の教えを知っていただけるようなコンテンツで構成されたホームページです。一つの冊子を電子化したようなものです。紙媒体ですと在庫管理の手間や印刷や輸送費のコストが発生しますが、ホームページであれば比較的低コストで多くの方に見ていただけると思い、制作しました。
 
ページデザインにもこだわり、イラストを取り⼊れポップなテイストにすることで、堅い印象を避けました。内容は、浄土真宗のみ教えやコラムなど、合計14コンテンツあります。お焼香の作法や勤行本の扱い方といった日頃の仏事でも参考になる情報や、コラムでは二階堂和美さん、釈徹宗さんといった著名なお方の「仏教の受け止め方」を掲載するなど、盛りだくさんの内容になっています。
 
そして、制作したwebムービーとホームページを、先日2月26日(日)に本願寺広島別院で実施した講演会で発表させていただきました。講演会では、第一部で制作したものを発表したほか、映像の監督と脚本家の方、会員でのクロストーク、第二部では釈徹宗さんと家入一真さんの対談を行いました。近年はフェス等の行事も行っていましたが、今回は原点に立ち返るような思いで実施できたと感じています。
 
――対象を30歳から40歳に限定したのはどうしてでしょうか?
 
廣幡:30、40代の方々にお寺との関わりや僧侶のイメージについてヒアリングしたところ、「お寺は法事でお参りするところ、僧侶は葬儀や法事の儀式を勤める人」と、答える人が少なくありませんでした。そうした結果を受け、このままではもったいない!お寺との関わりはご法事やお葬儀といった限定的なことだけではないんだ!と、いうことを伝えたいというのが1つ目の理由です。
 
そして、もう1つの理由は法座へお参りする方の減少や、お参りでのご縁の減少です。現在、法座や月参りといった仏事も、主には60歳代以上の方がほとんどで、若い世代の方々はあまりいらっしゃいませんよね。
 
ということは、今の高齢者世代が亡くなられたら、お念仏が次の世代へ相続されないかもしれません。このままでは、ご法縁がどんどん減っていきます。そうした現状を危惧し、対象を30歳〜40歳の次世代の方に絞りました。
 

お坊さん発案のwebムービー。

   

Author

 

他力本願ネット

人生100年時代の仏教ウェブメディア

「他力本願ネット」は浄土真宗本願寺派(西本願寺)が運営するウェブメティアです。 私たちの生活の悩みや関心と仏教の知恵の接点となり、豊かな生き方のヒントが見つかる場所を目指しています。

≫もっと詳しく

≫トップページへ

≫公式Facebook

掲載日: 2023.03.10

アーカイブ